久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

猫のためいき。 (プラチナ文庫)

猫のためいき。 (プラチナ文庫)

  • 猫のためいき。

★★★★☆
雑貨店店長・志郎とアルバイト店員・雅のなんだか不思議な恋の駆け引きのお話でした。お互いよくしゃべるくせに、本心を言葉に表すのが非情にへたくそで、自分の気持ちは上手く伝えられないくせに、相手の気持ちを逆撫でるような暴言を吐いたり、そこに思いっきり突込みを入れたり・・・
過去の経験が彼らにそんな態度をとらせているらしいのですが、不器用ながらも志郎の本気が雅に伝わって、不思議な力関係にあるカップルが出来上がります。お話は四季に分かれているので、カップルになって幸せに過ごして、ひと波乱あって、将来のことも見据えちゃうという読み応えもたっぷりなお話になっています。一つ残念なのが長瀬さんの存在。いい人のままでいて欲しかった・・・
ちなみに、「人間おふとん」ですが、私は40年も前から「人間ベッド」と言っています。乗っかられる方はそこそこ重いのですが、乗っかる方は体にフィットして大変居心地がよろしいです。下になるほうがうつ伏せになり、上になる人の腰にお尻があたると大変よろしいのです。

天国より野蛮 (リンクスロマンス)

天国より野蛮 (リンクスロマンス)

  • 天国より野蛮

★★★★☆
19世紀の神学校にいる、神学生・セシルと彼に執着する悪魔・オスカーが主人公のお話ですが、神学生を悪魔がたぶらかすお話ではないところがこのお話の面白いところだと思います。
まず、セシルが優等生の神学生でありながら、信心深いわけではないところや、オスカーが悪魔でありながら大変人間くさく、あるときは残虐でありながら“悪い”部分がそれ程無いところが斬新でした。お話の中で、なぜ彼らがそのような存在なのかは語られるので、そこも納得しながら楽しめました。
人間界における場面だけでなく、地獄でのシーンもあり、書下ろしでは過去の天国でのエピソードも書かれているので、一冊で何度もおいしい展開でした。セシルが淡々としているため、悲しい境遇にあったり辛い目にあったりしても、泣けてしまうほどのお話にはならなかったのですが、少しずつオスカーに心を開いていくところをゆっくり見守った感があります。
表題がどういういきさつでこう決まったのか分かりませんが、できればもう少し内容に沿った題名にしていただきたかったと思います。だって、天国の方がよっぽど野蛮な気がしたんだもん。

ブラザーコンプレックス (ショコラノベルス)

ブラザーコンプレックス (ショコラノベルス)

  • ブラザーコンプレックス

★★☆☆☆
親の再婚で兄弟になった二人のお話です。会話が多いので、サクサクッと読み終わってしまいましたが、なんだかただそれだけのお話だった気がします。
4つ離れた義兄・悠生を大変慕っていた義弟・海斗。突然行方不明になってしまった兄に再会したのはホストクラブで・・・
優しくて頭が良くて自慢の兄だった悠生が、なぜ大学を辞めてまでホストになったのか、大事な人(海斗のこと)を傷つけないために家を出たのなら、あちこちで浮名を流す必要もなかったんじゃないか、など、いまひとつ理解できなかったところが多かったのです。海斗もただひたすら縋るだけで、それほど大変な努力もしていないし・・・なので、★2つ。