- 作者: 砂原糖子,三池ろむこ
- 出版社/メーカー: 新書館
- 発売日: 2010/06/10
- メディア: 文庫
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- 言ノ葉ノ世界
★★★★☆
「言ノ葉ノ花」のスピンオフ作品です。今度は生まれつき心の声が聞こえるばかりに心が荒んでずる賢く生きてきた男・仮原と、めちゃくちゃ真面目でバカ正直で純粋な男・藤野のお話です。展開としては前作と変わらず、心の声が聞こえるばかりに苦悩する男と、心を知られてしまって戸惑う男というシチュエーションなのですが、今回のポイントは心の声を聞いても心地よいというところでしょうか。仮原の荒んだ気持ちが、藤野によって癒されていくのです。また、正直すぎるために傷ついていた藤野を、仮原が守ろうとするように変わっていきます。
自分の行動を持て余しながらも、なんとか藤野に受け入れてもらいたい仮原が自分に素直になったとき、藤野の優しさに包まれることができたのです。
キーパーソンは占い師の男、彼は昔心の声が聞こえた人です。仮原の金に困らない自堕落な生活といい、占い師の置かれかたといい、ご都合主義的で少しばかりしっくりこない部分もあるのですが、★4つ分には十分なくらい面白かったです。この先占い師のお話も書いてくださるのでしょうか?
- 作者: 久我有加,山中ヒコ
- 出版社/メーカー: 新書館
- 発売日: 2010/06/10
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- いつかお姫様が
★★★★☆
キレイ系王子様攻×オトメ系男前受の学園ラブと裏表紙にも書かれていますが、「かわいがりたい」男・市村×「かわいがられたい」男・佐山のお話でした。
あくまでも女性に対するがごとく佐山を守りエスコートしたがる市村。佐山の方も、市村に大事にされるのを心地よく思っていて、こんな微妙な好みに合う相手なんて、そうそういないですよっていう感じの、割れ鍋に綴じ蓋カップルです。
2話目の【白雪王子】では、佐山がとうとう生ぬるい関係に我慢できなくなるわ、不安は募るわで、一歩進んだ関係になりたくて必死になるのですが・・・自分をオトコマエと言いながらも、あくまで受身な佐山です。あれこれ画策しながらも、思い切った行動にはなかなか出られず・・・やっと思いが叶ったときはホッとちゃいました。
お話としては大きな山場があるわけでも、泣けるわけでもないので、ゆったりまったり展開するのですが、関西弁の会話といまどき珍しいフェミニストの市村と、とってもオトメな佐山に癒されるので、★4つくらいの面白さはありました。
この2作品は、季節的に冬に読みたかった気がします。