久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

夜夜(やや)の月 (ラヴァーズ文庫)

夜夜(やや)の月 (ラヴァーズ文庫)

  • 夜夜の月

★★★★☆
先日秀氏の絶版本(古本)をネット購入したら、おまけでもらった本です。水原氏は以前雑誌で読んで、結構好きな系統の作家さんなのですが、どういうわけか積極的に読んでいませんでした。
家庭の事情で美大(油絵専攻)を中退した、日本画家の孫・神原亮と若き画廊オーナー・澤雅宏のお話。
働かなくてはならないけれど絵を諦めることもできないで、路上で自作を売っていた亮の絵を気に入り澤は仕事を世話すると持ちかけてきます。まずは名作の模写をするよう言われ、画廊にあるアトリエで作業を始めるのですが、澤と若手画家との関係と破局を知ることになり、今度は肉体関係込みのパトロンの話を持ちかけられます。たった一人の祖母に心配をかけたくないのでお金も欲しい、画家として絵も描きたい、代償にからだを差し出すくらいと思い承諾したのですが、澤のセックスは暴力的だったのです。
模写からオリジナル、油絵から再び日本画へと亮の絵を描くことに込める情熱と懊悩、少しずつわかってくる澤の正体と苦悩。はじめは暴力としか思えなかったセックスが、少しずつ様変わりしてくるのです。澤から受け取った感情が亮を通して絵に反映されているようなストーリー仕立てになっていて、そんなところが読みどころだと思います。
実際に口には出さないけれど、どちらかといえばグルグルしている澤のおかげで、あれこれ遠回りの恋ですがハッピーエンドで良かったです。そういえば、結局亮ちゃんは澤さんしか知らないからだですね。初恋だし。澤さんてばそこんところ自覚してもらわないとね。

ボーダーライン (ドラコミックス 195)

ボーダーライン (ドラコミックス 195)

  • ボーダーライン

★★★★☆
高校の風紀委員のお話が表題作。カバーイラストが大人っぽいのでまさか高校生の話だとは思いませんでした。
再婚した親の間に弟ができ、どこにも欠点の無い家族のなかに息苦しさを感じている風紀委員長・坂口。没収した煙草を吸おうとしているところを同じ風紀委員の溝口に止められて・・・んー、このお話の面白さをなんと表現したらいいんでしょう。それこそ、ボーダーラインの上を歩いているような不安定な心地よさな感じ。
「初恋」は設定どおりに描いて欲しかった。漫画というの小説に比べ描ける内容が少なくなるのは仕方が無いし、そのためには削ぎ落とすことも必要なのでしょうが、コミックス化するのなら描き下ろし分を加えるとかして、厚みがあって納得の行く作品に作り変えてもいいと思います。これ1作で1冊のコミックスにしてもよかったんじゃないでしょうか?後藤も先生も大喜も出てこなかったお父さんも、しっかりとした背景があるお話が好きです。最後に読んでねの「あとがき」を先に読んどいて良かったです。
それから、口絵の後藤と先生ですが、最初は風紀委員の真木と成長して眼鏡になった静かと思っちゃった。

麗人 2009年 01月号 [雑誌]

麗人 2009年 01月号 [雑誌]

  • 麗人 2009.1月号

井上佐藤氏の「オオカミの血族」が読みたかったので、買ってしまいました。うおおおおおー、知ってはいたけどそうきたかです。それにしても、チッチは天然ですね。で、あっくんはしっかり父親を踏襲している・・・こうなると、のんとあっくんのその後と、パパたちのお話を描いていただいて、コミックス化して欲しいです。
それから、巻頭が内田カヲル氏。スタントマンのジョエルくんが救済されているお話。相手が冴えない美術さんというのも萌える〜、なのに読みきり雑誌のはずが完全に「続く」ですよ。立ち読みをするか?