久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

ろくでなし刑事のセラピスト (キャラ文庫 あ 3-10)

ろくでなし刑事のセラピスト (キャラ文庫 あ 3-10)

  • ろくでなし刑事のセラピスト

★★★★☆
★5つにしてもいいかなと思ったのですが、もっと膨らませることも可能かなと思ったので、4つどまりにさせていただきました。
過剰な捜査で容疑者にケガさせてしまった刑事のアダムは、職場復帰の条件として精神科医のカウンセリングを受けることに。そこにいたのは想像していたよりも若くてセクシーな医師・シンでした。離婚したばかりでそのダメージが意外と大きかったアダムと、過去の辛い出来事を引きずったままのシンが、運命のように惹かれあっていくのです。連続殺人事件を解決していく過程とどんどん惹かれていく彼らの関係が描かれますが、大変読みやすい構成で、ちょっとハラハラドキドキもあり、エロもバッチリで満足しました。
あとがきで洸さんが“ろくでなし”とおっしゃっているので、アダムはアルコール依存気味のろくでなしの刑事という設定なのでしょうが、お話の展開の中ではそれほどろくでなしとは思えませんでした。突っ走りタイプではあっても目端は利いて、頭も悪くないし、他人のことを考えることができる人なので、結構好感度は高かったです。逆に、クールな美形医師・シンの方が、予想以上にハッキリとして辛辣で奔放な人なので、いい意味で裏切られた感じです。
イラストもふんだんでうれしいのですが、私のアダムのイメージはもっとゴツイ人でした。

砂漠の花嫁 (Dariaコミックス)

砂漠の花嫁 (Dariaコミックス)

  • 砂漠の花嫁

★★★★☆
アラブものは基本読まない私なのですが、檜原さんの原作付きということで読んでみました。予想以上に面白かったです。(特に表題作。)発表された順に収録されています。
【砂漠に飼われて】競馬用の馬の牧場で厩務員をしている駿がアラブの王子様に馬ごと買われちゃうお話です。これはどう考えても、金に飽かして好きにされちゃったあとに、ほだされちゃったというよくあるお話なので、いまひとつ納得できないなと思っていたのですが、アラブが良い競争馬の産地という伏線があって、そこになるほどと思わせる部分がありました。
【指先の誘い】こちらは、↑の王子様の腹違いの兄と敏腕外科医のお話です。こちらは暗殺や拉致監禁など、陰謀渦巻く中で翻弄されるわけですが、↑のお話に比べると大人で、政治色が強く、世界を股にかけている壮大さがありました。
【砂漠の花嫁】カバーイラストの二人です。ベドウィンの旅長・ヌーレディンと日本の諜報員・明石のお話なのですが、どこがいいって“嫁”であるところの明石が男前なところでしょうか。そして、一人で諜報員の仕事をしながら気丈に生きている明石をただ守るのではなく、のびのびと動けるように助けるヌーレディンがまたカッコいいのでした。
これは、彼らが脇役で活躍しているという小説、「砂漠の契約」も読まないといけないでしょうか?