久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

好きで好きで好きで (角川ルビー文庫)

好きで好きで好きで (角川ルビー文庫)

  • 好きで好きで好きで

★★★★☆
今日の電車の中で読み始めました。なんだかんだで四分の一くらいしか読めずに帰宅してしまったのですが、先が気になって家事もそっちのけで読破しちゃいました。いやー、帰宅してから読んでよかった。涙涙の連続で、鼻かみまくっちゃいました。気持ち的には★5つでもいいくらいなのですが、偶然がもたらす出来事が重なり気味なので、ちょっとマイナスになりました。
お話は先に片想いをしてしまった三浦目線の「好きで好きで好きで」から始まり、後から恋に気づく堂島目線の「ラブソングみたいに」で締めくくられますが、同じ時間軸の部分が大半を占めていて、その時のそれぞれの気持ちを知ることができます。最後に書き下ろしの「君がしあわせになる前に」で登場人物たちのその後を知ることができるという仕組みです。
何がそんなに泣けたかと言えば、諦めなくてはいけないと言い聞かせながらも、好きで好きで仕方がない相手を前にしてしまってはどうにもできない恋心があるというところでしょうか。書き下ろしにおいて、恋も三度目ならと三浦が言う場面がありますが、その恋の相手は全て堂島なのです。振られても振られても、再び出会ってしまえば抗えないくらいに好きな相手。理屈ではないところで燃え上がる熱い気持ちが涙を誘うのです。
で、相手の堂島と言えば、恋に気づかないというかなんと言うべきか、フェミニストなのに鈍感なのです。そこへ持ってきて変なところが意地っ張りなもんだから、三浦を振り回しまくるのです。結婚を考えるほどの恋人がいるくせに、三浦をはっきり振ったくせに、つい気になっちゃって三浦宅に押しかけ、「一度だけしてみようか」と抱いてしまうなんてなんて卑怯な奴なんだと、こんな奴とはさっさと別れて新しい恋を見つけるんだ三浦と思ったのですが、堂島目線のお話を読むことによって、ちょっと見方が変わりました。作者もあとがきで書いていますが、半分終わったところで投げ出してはいけません。この先が重要です。
甘いだけじゃなくて熱くて痛い恋。そんなお話です。
どうでもいいことですが、なにもしなくても居心地がいい存在って重要かなと思います。私は熱い恋などしたことはないのですが、旦那さんとはそんな関係です。そこにいてくれればそれでいいのです。

暁の高嶺で ( 二見書房 シャレード文庫 )

暁の高嶺で ( 二見書房 シャレード文庫 )

  • 暁の高嶺で

★★★★☆
前作「白の彼方へ」は、かつくらに書評が載っていて、なぜか大変惹かれるものがあったので読んだのです。(真崎作品はそれが初読みでした。)山岳警備隊員と山小屋の管理人のお話でしたが、今回は大学時代からの腐れ縁の隊員同士のお話です。お話としては、山男の嫁になった人の気持が分かるような展開でした。
どちらもお互いのことを思っているのに、はっきりと言葉にして伝えないものだから、行き違ってしまって・・・まぁ、二人とも気持ちの方向は固定しているので、あとはどうやって元サヤに納まるかといったお話になるわけですが。そういう意味では嫁にあたる史規は、山バカの高代より5つも年下なのですが、とにかく気が強い。気が強いけど高代に抱く気持ちは健気なので、読んでいて可愛くてしょうがありませんでした。
もう一話「碧落の遥かに」は前作の二人のお話。塩見の兄の遺品が見つかったことで、揺らぎそうになる二人の関係・・・今何が大事なのか、好きならば懐の深いところを見せてやれ、って言わなくてもそうなりました。良かった良かった。
前回もそうでしたが、いいキャラなのが浅田さんです。何故かみんなの弱みを握っている感じで・・・
しかし、ガタイのいい男たちのお話って、それだけで嬉しいなぁ。また書いてくださいね。
ちなみに、余計な話ですが、冬山でのお風呂やトイレはどうするんでしょう?山小屋エッチやお湯沸かしてカップ麺はいいとして、そのあたりも知りたい私。ファンタジーだから無しですか?

卒業生-冬- (EDGE COMIX)

卒業生-冬- (EDGE COMIX)

  • 卒業生 冬

★★★★☆
「同級生」の草壁×佐条のお話。はっきり言って「同級生」よりずっと即物的でわかりやすくて面白いお話になっていました。
佐条は外見に反してツンなわけでもなく、己の気持ちにそれなりに素直で、年相応な反応をするところが可愛くて、草壁のほうもチャラそうに見えて大変一途ないい子で、読んでいて気持ちが良かったです。
原先生もなかなかご苦労が多いようですが、学生時代からご愁傷様でした。
そして、受験を控える佐条くんの前に、また一つの難題が・・・草壁くんは支えになれるのでしょうか?・・・

卒業生-春- (EDGE COMIX)

卒業生-春- (EDGE COMIX)

  • 卒業生 春

★★★★☆
闘病中のお母さんにカミングアウトという、なかなか勇気ある行動に出てしまった佐条くん。意外と受け入れの良かったお母さん。さすが佐条くんのお母さんだと思いました。
その前に、いっぱいいっぱいでご飯も食べられなかった佐条にお弁当の差し入れをした草壁の、「卵焼きは俺が作りました」と照れるところにオバサンはやられてしまいました。かわいいかわいい。全部じゃなくて卵焼きだけ作ったってところがなかなかリアルですよね。
最終的に「結婚して」「…はい」ですよ。うわーうわーって私も赤くなりそうでした。誰も入る余地が無いくらいラブラブですよ。だから原先生は他にいい人見つけてね。ご健闘を祈りたい気持ちでいっぱいです。
しかし、学生時代って言うのは本当に貴重な時間だと思います。今の若い人たちも、いい経験をいっぱい積めるといいですね。私としては、もし高校生に戻れたら、やっぱり恋愛がしたいです。旦那さんと早めに出会って、恋愛を楽しむのでもいいなぁ。私が高校生だと、6つ年上の旦那は犯罪者になっちゃいそうですが。

きみにあげる。 (ミリオンコミックス CRAFT SERIES 34)

きみにあげる。 (ミリオンコミックス CRAFT SERIES 34)

  • きみにあげる。

★★★★☆
「僕がふつうだと思っていた気持ちはふつうではなかったから。俺はふつうじゃないからふつうに暮らしてはいけないと思ったから。」居場所を求める振られ男と、居場所はあるけれど外に出られないお茶屋さん(元ヤクザの息子)のお話です。
読めば読むほど「泣いた赤鬼」を思い出して仕方がありませんでした。ただし、片方だけが認められる結末ではありませんからご安心ください。不幸体質だけれど、結構プラス思考の諒一と、すべてまる抱えして辛いことすら溜め込むタイプの蓮の守り守られる、いや、お互いが支え合える関係が少しずつ築かれていくお話です。絵柄も含めなんだか不思議な雰囲気を持つお茶屋さんが舞台なので、非現実的な異次元で起きている出来事のような錯覚を覚えるのですが、あくまでも普通の世界のお話なのが却って不思議な感じでした。かと言って読みづらいわけでもなく、お話の内容はよくわかるのです。
あ、カバー裏もお忘れなく。
話は変わりますが、この作品が連載される前に描かれていたという作品が気になります。何故に途中でSTOPがかかっちゃったんでしょうか?読んでみたいものです。

ももいろ倶楽部にようこそ (1) (ディアプラス・コミックス)

ももいろ倶楽部にようこそ (1) (ディアプラス・コミックス)

  • ももいろ倶楽部にようこそ 1

★★★★☆
限りなく★5つに近い4つです。なぜなら、続いちゃうからです。続きが納得いく展開だったらそちらに★5つつけたいと思います。
ギャルゲーと間違って18禁BLゲーを起動しちゃったゲーマーの宗明くんが巻き込まれた、不思議なキャラとの生活のお話。ゲームの世界から飛び出してきたのは小悪魔系?の瑠璃、真面目眼鏡の藤岡、王子?執事?のアーヴィン、自称煙突掃除人のライナスで、そのお話の突拍子の無さもゲームなんだからそれでいい感じの展開になっていました。現実世界の同級生・藤岡と上手くいくまでのお話しなのかと思いきや、(実際作者はそのつもりでいたらしいですが。)謎の存在だったお兄さんが顔出しした途端に、ちょっとせつない展開になってきて、つづく・・・
私が何を気に入っちゃったかと言えば、一つは、ゲームとしての展開と現実世界での展開が混ざり合ってなかなか楽しく笑えるお話になっているところです。で、もう一つはそれぞれのキャラに役回りがあり、ワケアリの宗明やお兄ちゃんがキャラたちに癒され愛され、教育されていくところです。
浮かれ気味の当初から、シリアス路線になった今、次巻ではどんな展開になるのでしょうか?忘れないうちに早く次を出してくださいね。