久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

隷属志願 (白泉社花丸文庫BLACK)

隷属志願 (白泉社花丸文庫BLACK)

  • 隷属志願

★★★★☆
隷属っていうので、SMなのかなって思い手に取ったのですが、“支配されたい”願望はあるものの、マゾって程ではありませんでした。
自分自身を芯のない空虚な存在だと思っている直人と、高校時代の友人で今はヤクザになっている剣持とのお話です。自分自身がどうありたいのかわからず、道化の仮面を被り周囲に迎合しながらも、一人になったときにはより空虚な妄想にふけってしまう直人が、唯一仮面を被らず素の姿で付き合えたのが剣持です。言葉巧みに誘われて、身体を許してしまったりと、なかなかハードな付き合いをしていた二人ですが、高卒後剣持が音信不通になり、10年近い間まるっきり関係ない生活を送っていたわけです。しかし、ひょんなことで再会し再び関係が始まる二人。直人など、結婚までしているのに剣持に惹かれる気持ちは抑えきれずに・・・
高校時代、大学から再会するまで、再会してからを交錯させてお話は進みます。芯が無いと言っている直人は“空虚”という揺るがないものを持っているわけですが、その部分を埋められるのは友人でも妻でもなく、剣持だったということです。しかし、お話が進むにつれてあの出来事もこの出来事も起きるべくして起こったということがわかります。直人のブラックホールなみの空虚に引きずり込まれたのは、剣持なんだなとも思える展開でした。
本編は直人目線で語られていますが、「道程」は剣持目線で語られます。本編では明かされなかった彼らの背景がもう少しはっきりすることにより、あとがきにもあるように「S極とN極のように」二人が引かれあうしかなかった理由もハッキリしてきました。
しかし、沙耶さん(直人の妻)やっちゃう必要はあったのでしょうか?

放課後のラブコール (リンクス・コレクション)

放課後のラブコール (リンクス・コレクション)

  • 放課後のラブコール

★★★★☆
先生生徒ものかと思いきや、保護者×先生ものでした。眼鏡美人でゲイの先生・上田が、問題児の父親(ヤクザ)・一本木に一目惚れしちゃったので・・・保護者と担任という立場を利用し、“息子の様子”の連絡をとりあって・・・途中息子の横槍も入りながらも、めでたく結ばれて良かったねというお話。
好きなので、どんな理由にせよ会ったり話したりするのは嬉しくて仕方が無い反面、教師という立場を考え、過剰な一本木のスキンシップに一喜一憂し・・・冷たそうな外見に反して、欲望渦巻く上田先生がなんとも可愛いです。惜しむらくは、一本木パパにもうひとひねり欲しかったかなというところ。いい男で、自信家で、押しが強く、唯一料理下手という可愛い部分がありますが、大体においてステロタイプの攻なのです。パパの不足分を息子・武蔵くんがちょっと補っているといっても言いのでしょうか。口絵では三角関係?と思わせ、カバー裏では3P?と思わせてくださいましたが、描き下ろしも含めただのバカップルでありました。武蔵くんいい迷惑・・・
他、短編が3つ。怪力美少年もの、ヤンデレもの、ほだされ愛ものです。編集さんが、描き下ろしにヤンデレもののその後を希望されたということですが、いやー、アレはあのまま終わっていてよかったと思います。変にハッピーエンドにされちゃったら嫌だし、病んだままも怖いし。描き下ろしは表題作のおまけ“武蔵くん迷惑編”でよかったと思いました。

リピート・アフター・ミー? (ビーボーイコミックス)

リピート・アフター・ミー? (ビーボーイコミックス)

  • リピート・アフター・ミー?

★★★☆☆
語学学校でのお話。英語のマスターを命じられ入学してきた雄之介とその担当講師・ナイジェルが主人公ですが、登場人物が多いので、ちょっとバラバラしたお話になっちゃったかなと思いました。今後その他のみなさんのエピソードも出てくるんですよね?そうじゃないとこんな濃いキャラを集めた理由がわからなくなりますよ。
で、今回のお話ですが、英語を習うために入学したもののなかなか上達せず、ジレンマを感じ、投げやりになり・・・といった雄之介と、年下で天才肌のナイジェルが、お互いを必要と認めるまでのお話です。年齢の割りにおこちゃまな雄之介と、ワケありで大人なナイジェルが、反発しながらも引き合っちゃうというわけですが、各話毎にイベント的エピソードが満載です。脱走だったり、病気だったり、クリスマスだったり、別れ話だったり・・・そういう意味では王道的展開だと思いました。
私としてはイギリス人講師・ジーグフリートが好みのタイプ。犬猿の仲のような女ったらしフランス人講師・シリルとなんか起きるんじゃないかと期待しているのですが・・・