久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

15歳 (バーズコミックス ルチルコレクション)

15歳 (バーズコミックス ルチルコレクション)

  • 15歳

★★★★☆
シリアスな表題作シリーズ2作と、アマアマな短編1作、コメディだと思う作家×ホストの年の差シリーズ(とあらすじに書いてある)を収録。
表題作シリーズは、5つ年上の兄・暁浪の親友に恋している弟・夏実と、兄に恋している親友・圭吾と、その周囲の人々を描いたお話。暁浪には恋人がいて、圭吾の恋心も夏実の恋心も受け入れてもらえない方向を向いています。若いだけに奔放な夏実のアピール、分別が付くばかりに諦めたり逃げたりしている圭吾たちの態度。それぞれの複雑な思いが重なることのないまま離れ離れになってしまって・・・続編に続きます。続編では夏実の友人・辻本くん(今のところあくまで友人)と圭吾の恋人・悠が登場。夏実が圭吾を探し出して再会するのですが、それぞれの今にそれぞれが納得して終わるという最近あまり見ない「これが普通の恋の行方」だよねと思うような、大きな波は無いけれどなんだか胸にストンと落ちるもののある終わり方でした。実は、この辻本くんの過去とか、悠の背景が思わせぶりに描かれていて、大変気になるところでございます。どこかで登場していらっしゃいましたでしょうか?どれともこれから活躍してくれるの?
作家×ホストは「正しい恋シリーズ」って書こうと思ったんですが、これは描き下ろしなんですね。前後に描き下ろしをされたおかげでお話が大変わかりやすくなってよかったと思います。簡単に言えば押しかけ女房(ホストの有喜)におたおたするヘタレの亭主(売れないミステリー作家・国士)といった感じ。その有喜がホストなもんだから、結構惚れてはいるもののヘテロに手を出してはと自制心ばかりを働かせている国士。押しかけてきた有喜のほうはそもそも小説の大ファンで、身体を捧げるのもやぶさかでない様子。有喜のために専門外の人情話を書いてみたり、有喜のせいで転職を考えたり、いい年をして振り回されっぱなしの国士ですが、やっぱり“無邪気で失礼で、口元のホクロがせくしー”な有喜にベタ惚れなのでした。で、最終的に有喜の方も転職を考えちゃったというオチつきで、めでたしめでたし。
表題作は裏を読むような幾分難しいお話でしたが、「正しい恋シリーズ」はわかりやすくて楽しかったです。
圭吾×悠のお話、夏実と辻本はどうなるのか、など大変気になるので続きをよろしく。