久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

FLESH & BLOOD (14) (キャラ文庫)

FLESH & BLOOD (14) (キャラ文庫)

  • FLESH&BLOOD 14

★★★★☆
カイトは肺病を病み、海の男たちは陸に上がり、この先どうなっていくのだろうと心配になっていましたが、そこはそれなりに展開してくれました。栄養と安静を取るしか手立てのないカイトをどうにか救おうと、ジェフリーやリリーを始めとする周囲の人々はあれこれ努力するのですが、あの冷静なナイジェルが取り乱すわ、ウォルシンガムの追っ手はやって来るわで、おちおち寝ても居られないカイトなのです。
そこに、タイムトンネルの件が絡んでくるので、お話は大きく転換します。未来は明るいと考えていいのか、はたまたさらに大変な事件が待っているのか、一難去ってまた一難といったところでつづくです。
それにしても、一番の苦労人はやっぱりジェフリーだなぁと、ある意味可哀想な人だなぁと思ってしまいました。カイトといられればそれで幸せだと彼は事あるごとに言いますが、それって、自分を今の状況で我慢するように納得させるための言葉じゃないかなって思っちゃいます。プラス思考でよろしいのですが、あまりに哀しい・・・この巻を読む前までは、ジェフリーの気持ちについてそれ程深く考えたことが無かったのですが、カイトはもちろんのこと、ナイジェルのことも、その他の水夫たちのことも、更にはイングランドの未来のことも、何とかいい方向に向けたいという彼の気持ちってすごいんだということがよくわかりました。
そして、巻頭に登場したラウルとヤン。とても不思議な関係の二人は、今後どのようにカイトやジェフリーに関わってくるのでしょうか。カイトは21世紀に戻れたのか、ジェフリーは殺されずに済むのかとともに、大変気になる部分であります。
ちなみに、ドラマCDの7.8.9巻を一度に注文すればいいやとおもって3月末まで保留にしておいたら、7巻が品切れだそうで・・・これじゃ、特典CDはおろか、小冊子も手に入れられないじゃない・・・って意気消沈している私なのでした。ため息・・・

利息は甘いくちづけで (ラヴァーズ文庫)

利息は甘いくちづけで (ラヴァーズ文庫)

  • 利息は甘いくちづけで

★★★★★
新装版です。同人誌収録分がプラスされています。旧刊の感想は以下のとおり。

カード作ってやっと手に入れた古本で読みました。
いやぁ。苦労して入手した甲斐はありました。商業誌デビュー作ということで“力”入ってます。裏世界のいおかと呼びたい。しかし、ここまでの漢な受けには驚きました。「利息」っていうから銀行?と思ったら、闇金経営者ですから。腹黒だし。☆が1つついたのはイラストです。いつも思うんですが、本文どおりの画をお願いしたいのです。肩のラインギリギリの真っ直ぐな黒髪って綾木の重要ポイントだと思うんですよね。(最初のページに出てくるし)

で、今回のイラストは少し設定に近いと思いますが、やっぱり“肩ラインギリギリの真っすぐな黒髪”ではありませんでした。なんでだろう?で、根津の髪型が、短髪のはずなのにちょい長めです。角刈りまでしなくていいから、ソフトモヒカン程度の長さでお願いしたかった・・・
そして、ストーリーですが、やっぱり面白かったです。お約束な展開があまり無いところがいいのでしょうか?金貸しをしながら日々刹那的に暮らしている綾木は、それが自分に合っているからそうしているだけで、よくある“辛い過去”など全くありません。初対面で綾木を押し倒してしまったヤクザの根津も、自分に合っているからヤクザをやっているだけです。まぁ、彼の場合、綾木によって今までと違う生き方をすることになるのですが・・・暴力を振るわれたり、強姦されたりと非常にワイルドな状況の中、この、小柄な綾木はただでは立ち上がらないほどしっかりちゃっかりしています。そして、めちゃくちゃよくしゃべる。で、会話は全て関西弁です。呼べばすぐ来る根津はワンコと言えばそうなのかもしれませんが、王道な部分はそれくらいです。結構嫉妬深い根津、自分の使い方を心得てはいるものの突っ走りすぎる綾木。綾木が自分の欲望に大変忠実なのも面白いところです。好きな事は好き、気持ちいいことは素直に気持ちいいと認めるというふうに、とにかく潔いのです。たしかに“漢”です。『仕事は金貸し、趣味は金儲け』・・・の男なのです。どうして根津が綾木に一目惚れしちゃったかなんていうことは、この際どうでもいいんです。一目惚れなんだから。凸と凹が嵌っちゃったんだもん。
さらに、根津の唯一の舎弟藤井や、綾木の主治医(?)舘川、スナックのママたちなどなど、個性的な面々が味方に付き、悪(?)をやっつけるという面も持っているお話です。だから楽しい。旧刊を持っているのでこれを購入するか否か迷ったのですが、結局再度読んでみてやっぱり面白かったので、損はありませんでした。明るく楽しくスッキリしたい人向けのお話だと思います。ただし、暴力シーンがありますのでご注意ください。
ちなみに、年下攻、誘い受けです。

SWEET TALE (キャラコミックス)

SWEET TALE (キャラコミックス)

  • SWEET TALE

★★★☆☆
帯のアオリで「男同士の“ふたり暮らし”、はじめませんか?」と言っているように、ふたり暮らしの3カップルのお話が入っています。
【BOY NEXT DOOR】「夢はペット可物件!?フリーター同士の甘い同棲ライフ」と帯にありますが、その前に「ビッチとノンケ」と入れたほうがいい気がします。なんだか地に足が着かない二人のとっても不安な同棲生活のお話です。本編は成り行き任せな感じが溢れているので、どうにも私の好みに合わないのですが、描き下ろしを読んで変に納得しちゃいました。相変わらずつかみどころは無いものの、お似合いのカップルなんだねと思えました。
【ワン・ハート】潰れそうな運送会社の社長とアルバイト君のお話。帯には「ワンコ系バイト×ヘタレ青年社長の節約同居」とあります。ヘタレというより苦労性の社長と、コワモテだけど結構頼れるバイト君。こっちのお話は結構好きな展開でした。“ふたりでがんばろう”って感じがいいですよね。
【おとしもの】これは、同居未満です。帯には「謎の美形リーマンの押しかけ同居!?」とあります。家に帰りたくない魔性のゲイを拾っちゃったおにいさんのお話。超短編なので、ただそれだけです。いつも思うんですが、魔性のゲイってホントにいるのかなぁ。
【ロングウェイ・ホーム】帰らぬ恋人を待つ為に、頑なに部屋から退去しようとしない少年と、事情により彼を退去させなくてはならない無職の男のお話です。ほだされラブといったところでしょうか?
しかし、身体を売って食いつなぐというシチュエーションはあんまり好きじゃないなぁって思いました。

鬼に発情 (GUSH COMICS)

鬼に発情 (GUSH COMICS)

  • 鬼に発情

★★★☆☆
幼い頃に母を亡くし、さらに父まで事故死してしまった高校生・陸のところに、押しかけ保護者・鬼久保(陸の担任)がやってきて・・・シチュエーションや展開は、ほぼ王道と言っていいと思います。陸の父を尊敬していた鬼久保が、恩返しに陸をしっかり育てようとやってきて、お互いが惹かれあっちゃうわけですが・・・その中で普通と違うのが、鬼久保が大変厳しいというところです。授業も鬼のようなのですが、帰宅してからも大変厳しい。ただ、親業はきちんとやっているので、陸にとったら大変面倒見のいいお母さん的存在なのです。厳しくても大好きってやつです。
天城さんの作品なので、ギャグに走るのはお約束。鬼久保の極端な性格も、押しかけ保護者という設定も多少無理があるとは思いますが、この展開なら許しちゃえますよ。それなりに面白かったです。