久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

心まで縛りたい (白泉社花丸文庫BLACK)

心まで縛りたい (白泉社花丸文庫BLACK)

  • 心まで縛りたい

★★★★☆
表紙イラストを見て買ってしまった作品です。流石、レジを通すとき「申し訳ない」って思っちゃった。「カバーをお付けしますか?」って聞かれたけれど、それってあなたの羞恥プレイになっちゃいますよっていう、表紙よりさらにすごい“亀甲縛り”の口絵なので、遠慮しておきました。
緊縛に特化したSMのお話なので、ノーマルだった受の千宗の戸惑いはたっぷりなものの、痛々しさはほとんどありません。あとがきに書かれていたお話によると、もっとSM色が強い予定だったらしいのですが、編集側で却下されたそうです。私的には残念。でも、お話としては綺麗にまとまっているので、それでよかったのかもしれません。
千宗がたまたま訪れたハプニングバー(どういう場所かは読んでください)で出合ったのが、緊縛師・レイとしてショウに出ていた久我。レイに指名された千宗は、負けず嫌いの性格もあってその場で緊縛されてしまい、今までに無いスイッチが入ってしまったことに戸惑うのです。その後職場で再会することになり、久我の人となりを知るに付けどんどん惹かれていく千宗は、緊縛対象としての体だけでなく、心から愛して欲しいと思うようになるのでした・・・久我は千宗しか縛りたくなく、千宗は久我以外に縛られたくない相思相愛になった二人ですが、書き下ろし番外編では、久我の師匠である倉橋の策略で、公衆の面前で緊縛ショウを強要されるという状況に追い詰められます。しかし、それぞれの小さな嫉妬がスパイスになり、よりいっそうのラブラブさを見せつけられることになりました。
このお話の特徴は、前述したようにSM的な痛さはほとんど無く、どちらかというと“緊縛される快感”を感じられるような表現でした。縛りの過程が細やかで、その時の千宗や久我の様子も官能的なので、なんだか自分も縛られて感じちゃったみたいな感覚に陥りそうになりました。なんだかんだ言って私好きなんですよこういうの。一回本物見てみたいなあ。というわけで、イラストが一役買っております。縄の食い込みもそそられます。