久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

最果ての空 (shyノベルズ)

最果ての空 (shyノベルズ)

  • 最果ての空

★★★★★
篠塚さん、罪作りな男だ。でも、きっとずっと貴方はみんなに愛されていくんでしょうね。
エス」シリーズ最後の男・篠塚英之。彼のお話が読めるということで、大変楽しみにしておりました。彼を幸せにしてくれるのはどんな人物なんだろう?そればっかりが気になって仕方がなかったわけですが、彼は、誰かに幸せにしてもらいたい人ではなく、他人のために生きていくのを選んだ男だったんですね。どこまでもどこまでも篠塚英之でした。
もう一人の主人公・江波郁彦は部下として任務をこなすうち、心地よく受け止めてくれるのに同じ力で弾いてくれるような篠塚という存在にどんどん惹かれていきます。
スパイを追尾する任務という特殊な仕事を絡めてお話は進み、江波の篠塚への想いも膨れ上がっていくわけですが、彼らの仕事と恋の駆け引きもさることながら、それぞれの兄弟や友人、同僚や恋人あるいは過去の人と、たくさんの人物が登場するので、奥行きのある作品になっていると思います。(過去のシリーズの、篠塚絡みの登場人物もちゃんとフォローされています。)
で、その奥行きのおかげで、もう少しで篠塚さんほだされちゃうのか?っていう場面がそこここに。で、そのたびにはぐらかされて・・・なんて罪作りなの?・・・それだけのお話だったら★は4つだったと思うんです。あまりにもどかしいので。あまりにも篠塚さんが篠塚さんなので。
しかし、篠塚さんが「ひとりは寂しい」と認めた後からが★1つ分追加できるほどボロボロに泣けましたので、★5つになりました。寂しさを認め、江波を愛しいと言いながら、一人を貫く。最後のシーンなんか減らず口を叩く江波のお兄さんとのやりとりで締められているのに、もう涙ボロボロですよ。男の生き様っていう感じですよね。カッコイイ。
で、もっと年をとったら、江波も椎葉も浅川も、そして神津(江波兄)も篠塚が嫌がりそうな手土産を持ってしょっちゅう遊びに行っちゃえばいいんだよって思いました。もちろん、浅川と神津には何人も赤ちゃん作ってもらってさ。

それでも愛しい社長のワガママ (ビーボーイノベルズ)

それでも愛しい社長のワガママ (ビーボーイノベルズ)

  • それでも愛しい社長のワガママ

★★★★☆
「一途な夜」のリンク作だということで読んでみました。駆け落ちして行方不明のお兄さんが出てくるのかなぁって思っていたんですが、関係ありませんでした。どこがリンクしてたかって言うと、「ヤスダ理研のコンドーム」が関係してくるところくらいでしょうか。ゴム会社のお話なので。そういう意味ではまるっきり別物のお話といってもいいと思います。
なぜか、社長秘書に抜擢されてしまった営業の森友春菊(彼女いない歴25年=童貞)。前向きで一生懸命な彼は、なれない仕事を必死にこなしながらいつしか社長のマンションのハウスキーピングまでするようになって・・・仕事でもプライベートでも「妻」的存在に・・・
いわゆる社長×秘書+幼馴染み再会ものの王道だと思うのですが、この二人がとにかくいい人なので、ストーリー展開はともかく、読んでいて気持ちよかったです。(お約束の悪役・有能美形秘書の成宮くんという存在もありますが、そこはスパイスということで。)何がいいって、社長の方が春菊にベタ惚れっていうところが安心して読めます。水戸黄門的お約束な感じで揺らぎがない。
書き下ろしの「たまには愛しい秘書のワガママ」は、そんなラブラブでお仕事にプライベートに充実してきた二人を襲う爆破事件がお話の軸です。こちらも先が読めるような展開ですが、とにかく春菊が浅墓なのでどうにかしてくださいっていう感じ。お約束どおりに犯人の罠に自分から飛び込んじゃいますから。でも、社長が助けちゃう。お約束だから。
で、エッチはそこそこバリエーションがあるので、色々なパターンを楽しめます。とにかくラブラブなんで遠慮がありません。ごちそうさま。

夜に生まれた (ビーボーイコミックスDX)

夜に生まれた (ビーボーイコミックスDX)

  • 夜に生まれた

★★★★☆
BL初心者に読ませたい作品だと思います。
触れたものが全て宝石に変わってしまう呪いをかけられた魔獣の呪いを解くのは?というお話【夜に生まれた】で、童話・眠り姫の中のようなお話にほんのり漂う♂×♂の恋を読み、
【南の島の神様】で、禁忌を破るほどの恋にちょっとステップアップ。
【香獣ラーラーガー】で軽いノリの中、襲い受けを堪能(ステップアップしすぎ?)。
【歌唄い】で、現実のせつない恋に涙してみたり・・・
全体的に柔らかい印象の絵本のような短編集です。