久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

  • キケンな誘惑

★★★★☆
キケンな遊戯の番外編を集めた作品集になるんだとおもいます。本編の雅之×要カップルは添え物程度に登場するだけで、もっぱら要の父親・昶のカップルと、要の幼馴染・彰のカップルのお話です。
容姿端麗で仕事もバリバリなのに、中学生のこぶつきで恋愛事に淡白な昶は元妻と別れた後はまったくのフリー。彼のことを親の店に営業に来たときから知っていて、長い間片思いをしていた史朗があるきっかけで想いを打ち明けます。告白後の史朗は常に揺らがず愛しい気持ちをぶつけてきますが、決して無理強いすることも無く昶の戸惑う気持ちも含めて包み込んでしまうような人物です。昶の方もはじめは戸惑い、11もの年の差とか立場、彼らを取り巻く人間関係などに悩みながらも「本当は誰かを守るより、誰かに縋るタイプの人間なのかもしれない」と認めてからは大胆になっていきます。そこに時々要が絡んでくるので、焦ったり恥らったりする昶の姿も楽しめます。ショートショートでは雅之×要カップルと過ごす、照れくさいけれども心温まるクリスマスとか温泉旅行とかのお話も読めます。まったく、どうやって育てると要のように育つんでしょう?カエルの子はカエルってだけでしょうか?
もう1カップル、要に振られた生徒会長・真行寺彰くんのタナボタなお話。傷心を癒すため構内の寂れた果樹園で喫煙していた彰が遭遇した“乱れた姿の菊池紀晶先輩”。クールビューティーな外見に反して蓮っ葉な口を利き、お互いの秘密を口止めするため誘ってくる紀晶と関係を持っちゃってから始まる物語。ギブアンドテイクな関係を続けるうちに彰も恋愛感情を持つようになり、紀晶の過去を知ってもなお気持ちは冷めず、“ホントのこと”を聞かされてより愛しくなっちゃったっていう話。「キケンな遊戯」には先輩は登場していなくて、1年の「桃田」くんとくっつけるのかなと考えたりもしましたが、ふーん、そうきたんですね、でした。

僕はお兄ちゃん。 (ミリオンコミックス 25 Hertz Series 55)

僕はお兄ちゃん。 (ミリオンコミックス 25 Hertz Series 55)

  • 僕はお兄ちゃん。

★★★☆☆
鉄斗と遊馬という双子とそのお兄ちゃん・直プラス直の親友・綿貫のお話。体育祭のエピソード絡みなので、萌え要素はてんこ盛り状態です。あわや3Pかというシーンもありますが、上手くはぐらかされました。直の過去とかシリアスな場面もあり、どうなるのか楽しみではありました。で、まとまったのは誰と誰でしょうか?そこんところいまひとつ納得いかない部分があるのは私だけでしょうか?この表題作オンリーだったら★は2つ止まりだったかもしれません。
で、「イン・ザ・スープ」でホロリときたので評価が上がりました。こちらも説得力としては不満が残りますが、何かが欠けて寂しい人たちが補い合う話って好きです。