久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

キケンな遊戯 (ダリア文庫)

キケンな遊戯 (ダリア文庫)

  • キケンな遊戯

★★★★☆
完璧主義の高校2年生・要と転入生・雅之のお話。
いつもの完璧な自分と違う生活がしたくなり、夏休み限定でアパートに一人暮らししながら「あそんで」いた要が、トラブルに巻き込まれた際に助けてくれたのが一つ年下の雅之。お互いが一目惚れ状態で、付き合いだすには問題が無かったものの、自分の正体を知られたくない要がとっさについた嘘が「双子の兄がいる」。雅之としては、転入先の学校では兄・要と顔を合わせるもののわけもわからず冷たい態度をとられ、アパートでは要に内緒で弟・薫とからだを重ねるという緊張した日々が続きますが、ある日要と薫の違和感に気づき、その後の関係がギクシャクしだします。要はどちらにしても雅之のことが好きなので、きっぱり振られた後からそれまでの完璧さ、気丈さが揺らぎだします。雅之は(ここが高校1年生である必要があったところなのかなと思いますが)要のついた嘘が許せず、完全に拗ねちゃっています。ここに彼らが所属する生徒会の面々が関わってくることにより、3歩進んで2歩下がる感じで二人の関係が元サヤに納まっていきます。
ここでポイントなのが、心の広い生徒会長・彰です。要とは小さい頃からの付き合いで、これだけ大切に気遣ってくれているのに要はどうして恋人になってやらないのかと不思議になっちゃうくらいいい男なんです。彼の立ち回りのおかげで、こんがらがった二人の関係が上手くいくようになったと言っても過言ではないと思います。番外編ではさらにもう一人、要のパパの存在がちょっとした隠し味にもなっています。

★★★★☆
前巻の続きヤナのお話が、蒼(荘介の影らしいです。二人で一人ってやつ?)がその身にヤナを引き受けることによって一旦まとまり、ついでに荘介の玉も持っていかれてしまいますが、次のお話のまわし手として猫憑きの緋ノ塚の猫・楓が登場し、ずっと関係はあるのに玉持ちとしてはバラバラだった面々が一堂に会します。まだはっきりと正体を現していない2人と玉もちだと判明した6人が今後どのように活躍し始めるのかが気になるところです。
あと、今回は事あるごとに「信乃が大きくならない」ことを話題に上げていたので、逆に今後再び成長した姿が見られるかもしれないんじゃないかと期待したくなりました。次巻は道節登場でしょうか?