- 作者: 綺月陣,朝南かつみ
- 出版社/メーカー: 海王社
- 発売日: 2008/11/28
- メディア: 文庫
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- この世の楽園
★★★★☆
表紙から色々想像していたんですが、いい感じに期待を裏切られました。首輪にリードというSMチックなスタイルなので、そういう話かなっと思っていたのです。ところがさにあらず、まるっきりSMではありません。
桂城バンク勤務の蔵野悠介(真面目・眼鏡)が、諸事情によりグループ総裁の息子・聖也(箱入り・美青年)のものとなってしまい、過酷な生活を強いられます。耐えかねた悠介は弟・賢司(奔放・金髪・タトゥー入り)を巻き込むことを思いつくのですが・・・。
多分にファンタジーな部分があり現実離れをしているものの、楽しく読めました。軟禁状態で育てられ、あまりに俗なことを知らない聖也くんを大人にするお話なわけですが、この主人公は悠介でしょう。
聖也の態度にイライラハラハラしながらも突き放すことはできず、賢司の存在は気になるもののなかなか受け入れられず・・・そういう意味では、悠介が一人でグルグルしているお話と言っちゃってもいいかもしれません。
弟にコンプレックスを抱いている兄と、ずっと兄のことが好きなのに気付いてもらえない弟、恋すら知らないお坊ちゃまの三角関係ならぬ3P関係です。このまま一生一緒なの?
悠介の、だんだんと板についてくる「ご主人様」という言葉に、頭の中で小野・セバスチャン・大輔声に変換されちゃってまいりました。