久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

ハニーデイズ (幻冬舎ルチル文庫)

ハニーデイズ (幻冬舎ルチル文庫)

  • ハニーデイズ

★★★★☆
お話の内容は★3つにしちゃおうかな?って思いましたが、イラストがよかったので4つに留まりました。
大学の先生・諒一郎と彼の下宿先の息子・国巳(12歳年下)の長年の恋が実るまでのお話です。なぜ、お話の評価が低めかと申しますと、とにかくもどかしすぎる・じれったすぎるからです。杉原さんはもどかしくもキュンキュンくる作品を得意としている作家さんだと思うのですが、いつもの「キュンキュン>もどかしい」ではなく、「もどかしい>キュンキュン」だったわけです。年の差カップルというのも珍しいので、どうしても“大人”な諒一郎が守りに入るのと、“結構我が儘なこども”の国巳が攻めに出るのがかみ合わないのは仕方が無いところなのでしょうか。辛い過去を持っている諒一郎と、諒一郎しか目に入っていない国巳では、たとえ両思いであっても「どの部分を大切にしていくか」という価値観は違うので、あれこれあってやっと結ばれるまでに1冊分を費やしたわけです。いやーもどかしかった。
国巳の相談相手・同級生の健史と恋のライバル(諒一郎の元カレ)・立花の存在があるので、お話がだらけないで済んでいます。立花などは、いまどき珍しい“悪役”で、よく考えてみると彼のような人が“普通”に生きている人なんだろうけれど、諒一郎と国巳の間にいるとただひたすら悪役です。問題は、諒一郎と立花が別れた話は出てきますが、付き合い始めた理由などは明らかにされておらず、ちょっと消化不良気味なところがあるところです。健史も“よき理解者”すぎてちょっと不満・・・
で、意地悪なおばさん(私)が気になるのは、この先国巳の両親に関係がバレた時に結局諒一郎はどう対処するのかと言うところです。いっそのこと早々にカミングアウトするのが大人な気もするのですが・・・どうでしょう?