久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

博士の初恋方程式 (幻冬舎ルチル文庫)

博士の初恋方程式 (幻冬舎ルチル文庫)

  • 博士の初恋方程式

★★★★☆
これが、病院の待合時間に読み終わっちゃった文庫です。薄かったし、イラストも多めだったから早く読めたんでしょうか。
天才的な頭脳を持ち、ドイツで画期的な研究をしていたのに、ある日突然日本に移住してしまった科学者・神崎瀬名博士と、彼の大変美しい外見とすばらしい頭脳に触発されて、ドイツで受けていた英才教育を棒に振ってまで、帰国し神崎の研究室に入った志藤瑛司という、両極にある天才同士のお話です。
幼い頃から英才教育を受け、大人の中で育ったばかりに、物事を冷めた目で見ているような瑛司。そんな彼があこがれていた神崎博士は研究意外何もできないような変わり者で・・・
実は、志藤が神崎を追って日本に来たのは、とにかく惚れちゃったからなんだと思っていたのですが、本当に惚れたのはずっと後。さらに、神崎が自分の気持ちに気付くのはもっと後。といったふうに、どう考えてもお互いがいなけりゃ生きていけなそうな二人なのに、展開は大変もどかしいものでした。まぁ、神崎の天然ボケと、志藤のツンツンがいい感じにバランス取れていて面白かったですが・・・
で、読んでいる途中で気付きました。このお話は、攻目線で進みます。神崎が大ボケですから、受目線で進むわけにも行かないんでしょうが、滅多に読まない攻目線のお話なので、新鮮な気分でした。

祈り (ガッシュ文庫)

祈り (ガッシュ文庫)

  • 祈り

★★★★★
麻薬取締官が主人公のお話です。もうそれだけでも私の好みのストライクゾーンなのですが、さらに綺月作品に期待したい“痛い”部分もてんこもりで大満足。なので、「そこまで頭がいいのに、なぜ転落の道を選んでしまうのか?」「頼れる家族はいないのか?」「そこまでやったら死んじゃうんじゃないか?」などの疑問はありつつも、サスペンスとしても面白かったので、おまけで★5つ。
クスリが原因で死んだと思われる風俗嬢の事件がお話のきっかけではありますが、実は来栖薫という東大卒の新人麻薬取締官そのものが、ドラマなのです。彼があこがれる先輩捜査官・大曽根(辛い過去あり)と、元恋人の井原(来栖とは東大の同期。とんでもない厄介者)の間に挟まれ、苦悩しながらも、真っ当な人間であろうと必死になる来栖。このお話の中で、木の葉のように翻弄され、一番クルクル回ってしまいそうな来栖の芯がぶれないので、クスリによってグラついてしまう場面はあっても、薬物がらみの後ろめたいお話で終わることなく、気持ちよく読了できました。
作者からのメッセージでもあるあとがきまで、しっかりと読んでほしいです。
ちなみに、エロシーンのほとんどは大変ハードです。ドロドロです。でも、最後の最後まで投げ出さずに読めば、幸せになれると思います。