久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

泣かせて、おしえて (ガッシュ文庫)

泣かせて、おしえて (ガッシュ文庫)

  • 泣かせて、おしえて

★★★★☆
つまらなくはなかったので★は4つですが、私好みのお話ではありませんでした。
決して女性っぽいわけではないけれど、専門学校の同級生の女の子たちにも「女子枠」と言われるくらい控えめで大人しくて涙もろいゲイの青砥。クールなイケメンが好みだけれど、出会うチャンスもなく、常々恋人が欲しいと思っていたところへ、理想のタイプの久住が現れます。ひょんなことから、「恋人はいるけれど“セフレ”なら付き合える」と言われたものだから・・・服飾学校の生徒としての姿、課外研修で訪れた病院の院内学級、そこでの病児との交流、また、セレブな久住との夢見るようなリッチな関係と、青砥が一喜一憂しながら成長する姿が伺えます。
BLなのですから、メインは久住×青砥と思うべきなのでしょうが、最後の最後になっても、私としては久住の態度が気に入らなかったのです。久住の背景にも辛いことがあったというのは納得できるのですが、大人なんだからそのトラウマを恋愛経験すらない青砥にぶつけちゃいけないと思うわけです。反面青砥は健気で従順すぎて、それじゃぁ久住が増長するばっかりじゃんって言いたくなりました。対久住でなければ、青砥は本当にいい子で、それこそ、「そのまま頑張っていればそのうちもっといい出会いがあると思うよ」っていう存在だと思います。いっそのこと悲恋でもいいから、久住とくっつかせないで欲しいと思った私です。
私の感覚は、青砥の親友・ゆうちゃんに似ています。私自身はまったくモテない、青砥や美里に近いと思いますが、どうにも「好きになっちゃったんだからそれ(相手に恋人がいて)でも仕方がない」っていう割り切り方ができないのです。
服飾のお仕事や、人それぞれの考え方があることなど、お勉強になることは多かったお話しですが、残念ながら、カップルには入れ込めませんでした。それよりも、同級生の女子たちとのやり取りや、病児達との関係の方が印象深かったです。

声しか好きじゃない (花音コミックス)

声しか好きじゃない (花音コミックス)

  • 声しか好きじゃない

★★★★☆
極度の声フェチを自認している伊京チーフ。ある日会社の飲み会で、さえない眼鏡男・システム課の峰生君の声に一目(?)惚れ。峰生君が部下なのと自分が酔っ払うと記憶を飛ばすのをいいことに、カラオケに誘っては酔っ払い、とんでもない行動に出て・・・会社ではできる男の伊京さんですが、峰生の前だとメロメロで、いつしか峰生くんも伊京さんに好意を抱くようになるのですが・・・
声フェチは自認しながらも、自己チューで結構プライドが高い伊京さんと、眼鏡を取ったら渋いイケメンだけれど自覚がない上センスもないオタクの峰生くん。すったもんだの後に、めでたく両想いになるまでのお話のですが、そのすったもんだに濃厚エッチが上乗せされるので、エロ楽しい出来上がりになっています。描き下ろしにも書いてあるとおり、ある意味ただのバカップルのお話なのですが、伊京さんの行動が一々おかしいし、描き下ろしやカバー裏までもサービス満点で、★5つでもいいかなと思ったくらいです。★が一個減った理由は、丸々一冊がこのシリーズじゃなかったことでしょうか。同時収録がつまらなかったわけではありませんが、もっとこの二人のバカップルさを堪能したかったのです。
同時収録の【恋は突然やって来た】はたまたま前述の小説と同じようなシチュエーションでした。セフレでいいから付き合っちゃうっていうやつです。こちらの場合、好奇心旺盛な男と恋することに否定的になっちゃった男いう組み合わせなのですが、↑の小説より救われたのは、それぞれの態度が柔らかいところでした。↑の久住さんはホンッと氷のようなイメージだったんで。なので、こちらはそれほど嫌じゃありませんでした。
【最終電車で恋をして】は、とにかく天然を超えたおバカさんが“想われる”方っていうお話で、あまりのおバカ加減にちょっと不安を感じましたが、あとがきに描かれたイラストで真枝さんも言っているように、平気で手をつないでデートできる人たちのお話なわけです。なるほど納得。裏表紙のアオリにも書かれていますが、“おバカでかわいい男たちのドエロまんが”でございます。