久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

桜の下の欲情 (キャラ文庫)

桜の下の欲情 (キャラ文庫)

  • 桜の下の欲情

★★★★☆
天才と称される日本画家・九重とメディアフロント「ブラスト」編集・本郷のお話。科学専門誌の休刊で、畑違いのエンタメ誌に転属された本郷は、ゲーム会社ナイトシステムとのタイアップ企画の担当になり、ゲームのキャラデザインを担当する九重のイラストを取ってこなくてはならなくなって・・・
キャラ文庫の秀作品ではおなじみのメディアフロントやナイトシステムが登場し、やはりお話の軸にお仕事がある展開になっていますが、今回の主人公は二人とも暗中模索している状態で、お仕事姿のここに萌えるというのではなく、ともすれば深い穴に落ちていってしまいそうな二人が、支えあって這い上がっていく姿に感動できるお話なのだと思います。
二人の関係は、どうしてもイラストが欲しい本郷の枕営業的なことからはじまるので、ちょっと展開が安易なのでは?とも思ったのですが、基本二人とも正直で意固地で、真面目で勤勉なので、自分でできないと判断したことは、きっぱり諦めてしまうタイプですから、こんなきっかけでもないと山も谷も、それこそ恋愛成就も無いお話になっていたかもしれません。
悩みながら流されて、いいように抱かれてしまう感じやすい本郷ですが、母性本能くすぐられると強くなる、肝っ玉母さん的なオトコマエです。反して、基本俺様の九重は、天才というより努力家で、マイナス思考で甘えん坊の寂しがり、いわゆるヘタレでございます。前半は俺様九重が引っ張り、後半は本郷おかあさんが面倒見るという展開は、始まりの強引さをどうにか緩和してくれました。
九重の製作背景と本郷の星オタ話、九重の数々のイラストと一作ずつに添えられる百字丁度の本郷の文章、九重の師でもある叔父の存在と残された言葉などが、お話に奥行きを出してくれてホロリと泣かせたりキュンとさせてくれたりすると思います。(計算されている感じがちょっと引っかかる感じもありますが、それでも計算した努力と挑戦を評価したいと思いました。)

恋と罪悪 (マーブルコミックス)

恋と罪悪 (マーブルコミックス)

  • 恋と罪悪

★★★★☆
表題作は、30年経っても惹かれあう問題児と優等生のお話。今では犯罪者と警察署長という立場なのですが・・・心の闇に正直な問題児と、そんな彼に憧れながらも真面目な仮面を破れない優等生。惹かれちゃうもんは惹かれちゃうんだから仕方が無いから、自分は自分の立場で愛しちゃうよっていうお話?ですよね?
【絵に描いたような。】高校教師・細田と彼に片想いをしている(美大推薦を狙う)高校生・豊岡のお話。二人の関係の仕掛け人は美術の女教師・佐藤なのです。片想いを続けながら細田をモデルにデッサンをする豊岡の悶々とした気持ち、飄々とした細田の言動、腐女子かといいたくなる佐藤の言動、全てがニヤッとしながらキュンときます。大好きなお話です。作品解説で続編云々の話が書かれていました。どうして没になってしまったのでしょうか?細田に彼がいる設定がまずいのでしょうか?いいのに・・・
【2/3の世界】思いが成就しないまま亡くなってしまった男と、彼にかかわっていた二人の男のお話。趣味じゃないけど好きな人と同じことがしたいって気持ち、わかるな。ボロボロ泣けました。
他に、浮世絵師と摺師のお話と、隣の泣き虫ヘタレタレントに振り回されるオッサン(28歳だけど・・・)の話(なでギャラの二人がゲスト出演)、があります。

恋とはどんなものかしら (花音コミックス)

恋とはどんなものかしら (花音コミックス)

  • 恋とはどんなものかしら

★★★★☆
同じ下宿の中で芽生えるもどかしい恋のお話。サラリーマン同士なのですが、学生同士の恋よりも純情の極みでございます。押さば引け引かば押せのタイミングをとるのが下手というか、恋愛初心者同士なんじゃ?と思うような・・・カバーイラストのとおりに色っぽいのに、思いっきり自覚が無い天然系の二ノ宮さんに惚れちゃった百目鬼君。(彼は、大家族の長男の様なのですが、詳細はまだ不明です。)二ノ宮さんの天然な色気と思わせぶりな態度に振り回され、同じ下宿の住人・彩賀さんに嫉妬する毎日。挙句の果てに管理人さんに「下宿内不純同性交遊禁止」を言い渡されて・・・
ま、結局二人はうまくいくわけですが、まだ先がありそうですよね。(実は、4コマ仕立ての【攻めとはどんなものかしら】のほうがわかりやすくて好きですよ。)
さらに、もう1カップルは彩賀さんと押しかけ恋人?管理人さんの弟・侑くんのお話。軽い男と無口な少年、どうしてこんな奴が好きなの?って思わなくも無いけれど、こっちの方が面白かったな。
雑誌(花音11月号)の方に実編があるらしい。立ち読みしてくるか?(ちなみに、実さんは管理人さんです。)
それから、やまたなが3作とあとがきにブルボンがちょっとあります。そこはちょっとデザート的にうれしいです。