久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

FLESH & BLOOD〈13〉 (キャラ文庫)

FLESH & BLOOD〈13〉 (キャラ文庫)

  • FLESH&BLOOD 11

★★★★☆
やっとジェフリーたちとイギリスへ帰ることになった海斗ですが、自分の病気を彼らに移すわけにいかないので、行動がぎこちなくなります。この時代に結核に罹患したら、治る可能性のほうが低いことがわかっている海斗ですから、どれだけ不安なことでしょう。伝染性の無い病気なら、仲間に甘えることも遠慮なくできただろうに、なまじどんな病気か知っているものだから、自分に我慢を強いなければならないのです。自分もジェフリーを欲しがっているのに、自分を欲しがっているジェフリーに答えることができないで、いつ本当のことを打ち明けるかを模索していた矢先、目の前で喀血してしまったため、病気がばれてしまうのです。
それに重ねてタイムトンネルがいつ開くかの計算もされて、今までのように追われて逃げて戦ってといった緊迫感ではなく、病気の進行とタイムトンネルの開通、この先の二人の関係、結局和哉はどうなりそうなのかというところで手に汗を握っておりました。
とにかく海斗が元気になってくれなければこのお話は悲劇で終わってしまいますから、近いうちにきっと何らかの方法で現代に戻れるか、結核の特効薬が手に入るかするのでしょうが、和哉のこと、ジェフリーとの関係、ナイジェルやキット、ビセンテたちはどうなっていくのかが気になって気になって仕方がありません。どう考えてもあと数巻では納得のいく終わり方にはならないでしょうから、私はあと何冊そのシリーズを読むことになるのでしょうか?いえ、いいんですけれどね、面白ければね。

悪魔でハニー (ミリオンコミックス  Hertz Series 66)

悪魔でハニー (ミリオンコミックス Hertz Series 66)

  • 悪魔でハニー

★★★★☆
アニオタ向けのお話でしたね。私程度の知識では、押しかけ悪魔・ネルくんが言葉で態度で表している作品の全てを読み取ることはできませんでした。できれば、何らかの形で正解(?)が明かされていたらそれはそれで面白かったと思います。(だれか正解を教えてください。)
押しかけられてほだされて、ネルのいいようにされてしまうのかと思いきや、嵩人くんって現実面に一本筋が通っているので、揺らがないんですね。ネルの存在を受け入れているのにファンタジーに流れない。その分ネルの方が人間界に慣れてきちゃっているというか、嵩人に操縦されつつあるというか・・・ネルの婿候補・シモンというおかしな美形も登場しますが、もうみんな人間界で楽しく暮らしてくださいよ。で、なんだか一般的でない感じのギャグが面白い作品でした。古街さん、こんなのも描かれるんですね。
同時収録「鳩ヶ谷の憂鬱」は市町村擬人化ですか?いえ、名前がみんな埼玉県内の市や町だったんで・・・しかし、罪なのは鳩ヶ谷くん。岩槻くん、チョーかわいそうじゃん。何で嵐山先輩がいいのかな?がんばれ岩槻くん!

鉢植えの住人 (ミリオンコミックス  CRAFT SERIES 32)

鉢植えの住人 (ミリオンコミックス CRAFT SERIES 32)

  • 鉢植えの住人

★★★★☆
上記の作品と同時発売。こっちはファンタジー系のシリアスです。
男同士は幸せになれないから、お互い彼女を作って幸せになろうなんていう理由で振られ、打ちひしがれていた智久のところへやってきたのが、鉢植えのガジュマルに棲む妖精のカイト。
都会の木に棲む妖精の孤独と、振られた男の孤独。実は振った方の一謙も智久の幸せを願っているからこそおかしな行動に出ていたようで・・・誤解されたり、辛くなったり紆余曲折がありますが、二人がカイトのおかげ(だと思う・・・だって、一謙の頭痛ってカイトが誘発していたんでしょ?)で元サヤに戻ったあとの展開がけっこう感動的でした。アパートで一人ぼっちになってしまったカイトの後姿は哀しかったですが、ちゃんとフォローがされていて良かった良かった。みんな幸せにならなくちゃね。
同時収録の「砂漠の井戸」は、一組のゲイカップルを通して、女、男、夫婦の関係、こどもをつくること、現代社会の問題、果ては今後の展望まで考えさせられる良作でした。お話の最後に主人公が語る“みんなで老老介護する時の夢”『お金を沢山稼いで 家を買って 遺産を残る人に渡していくの アンカーはそのお金で老人ホームに入って 遺産を全て砂漠の子供に寄付するんだ』って、なんていいアイデアなんだと感心しました。
「終末の空、茜色、そして宇宙」と「金曜、君に会いに行く」は、コタツというエロアイテムを中心に、二人の関係が 発展していくお話です。黙ってエロイことをし、それがどんどんエスカレートしていく航ちゃん(インテリ眼鏡のムッツリスケベ)と黙ってそれを受け入れている翔(ポヤヤンと可愛い系)。どう考えても何の問題も無いバカップルだと思っていたのですが、おおっ!そんな隠し球が!!があったので、航ちゃんだけでなく私も驚きましたよ。面白かったけど。で読み返してみて気がつきました。翔は航ちゃん航ちゃんと連発しているのですが、航ちゃんはたったの1回しか翔を名前で呼ぶことをしていません。どんだけシャイなんだ。でも好きの度合いは間違いなく、航ちゃん>翔だと思います。
そして、こっちにも市町村擬人化作品(?)がひとつ。「結婚行進曲はいらない」。こっちは浦和くんと春日部くんと大宮くんの三角関係のような違うようなお話。さいたま市的に浦和と大宮が最終的にくっつくのは納得。

男子、花園に出ずれば (花音コミックス)

男子、花園に出ずれば (花音コミックス)

  • 男子花園に出ずれば

★★★★☆
校長代理×フェロモン全開襲い受け高校生、家庭教師(父親の部下)×女装中学生、というどうにもアンモラルなカップルのお話の後が表題作、高校男子寮のお話。とにかく真面目な本多くんと生徒会長の冨和くんが同室になっちゃって・・・高井戸さんところの寮生たちは相変わらず色々旺盛な坊ちゃんたちで、事件は起きるは悪巧みはするは、かの名作ブレックファストクラブ並みのてんやわんやでしたが、いかんせん本多くんがカタブツなので二人の関係はプラトニックなままでありました。
高井戸作品の中でも学生寮ものは特に、パンチを出してはすかされる感じの心もとなさを伴いながら、不思議とピリッと効いたスパイスがある感じです。何と言ったらいいのかわかりませんが私にとってはそんな存在です。

★★★★☆
進行係を任された律。高野との関係で気をもみ、仕事でもイラつき、果ては営業の横澤に逆撫でされて・・・高野の前で泥酔してくだをまき、押し倒されたことすら覚えていないなんて、あなたちょっと・・・高野さんが好きだって言ってるんだから自分の気持ちも素直に認めちゃえばいいのに、いまだにツンツンしている律でした。恋に堕ちるまでまだ251日もあるらしいです。
もう一つはホモでメンクイでちいさいオッサンを自覚している木佐くんのお話。30歳だったんですねぇ。自分より年下の編集長(高野)にコンプレックスを抱き、考えがネガティブになりやすい木佐と前向きな書店員・雪名くん。心臓がいくつあっても足りないくらいドキドキする恋、いいですね。