久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

はな咲く家路 (新書館ディアプラス文庫)

はな咲く家路 (新書館ディアプラス文庫)

  • はな咲く家路

★★★★☆
親の再婚で兄弟になった同い年の二人のお話。
父親を知らずに母子家庭で育ったかずさは、何事にも慎重で真面目で争いごとを好まない、いわゆるいい子でした。反対に母親を病気で亡くし父子家庭でワイルドに育った葵は、ゴーイングマイウエイな才能溢れる芸術家タイプ。
高校生の時に出会い、家族として一緒に暮らし、お互い惹かれあい、それなのにはっきりした言葉では伝えられず・・・
読者からしたらもどかしくてもどかしくて仕方が無いくらいゆっくりと進む恋のお話ですが、大切だからこそ優しく温かく、こわさないように少しずつ進めるのがいいよねっと思いました。
【はな降る家路】では将来の展望が語られます。就活で四苦八苦しているかずさと、才能を認められ前途洋々に見える葵。それぞれが抱える悩みと二人の関係とその後。こうなってくると、恋愛小説というより進路指導的要素が濃かった気がしますが、まさに彼らくらいの息子を持っている私としましては、けっこう考えさせられました。時に流されるのではなく、自分からやりたいことが見つかった時、一つ大人になれるんでしょうね。私も見守ることにしましょう。