久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

今宵焦がれる胸の棘 (ニチブンコミックス)

今宵焦がれる胸の棘 (ニチブンコミックス)

  • 今宵焦がれる胸の棘

★★★★☆
先日読んだ新刊が予想外に良かったので、旧作も読んでみることにしました。(初単行本とのことです。)
前後編物1作と、短編4作で、コミックスの題名が付いた作品はありません。失礼ながら、絵柄がこんなにも好みじゃないのに、お話はひねりが効いていてホント好きだわ。
【シークレット・バカンス 前後編】詐欺の片棒を担いで、美人局のような生活を送っている男と、詐欺のターゲットにされたヤングエグゼクティブな男のおかしな関係のお話。ミイラ取りがミイラになるお話は良くありますが、ただ単純にミイラになって終わりではなかったところがなかなか良かったです。説得力としてはちょっと不足気味ですが、優秀だった男が美人局に転落した理由であったり、金持ちの慈善事業絡みの話しが出てきたり、ひねりが効いているところがいいのだと思います。
【せつない片想い】どうせ実らないと思っている相手に思い切って告白し、恋愛の何たるかを説かれて振られたのかと思いきや、何だあなたも好きだったんじゃないって言うお話。もっともらしい理屈とそれを覆せるほどの情熱。当たって砕けて正解でしたね。
【お前がライバル!】頑張っているのに、同姓の同僚には追いつけないジレンマと、当の彼に憧れている自分・・・ヘタレ受のお話かと思っていましたが、ただの単細胞くんだったみたいです。ちなみに、受攻ははっきり描かれていません。
【秘密】学生時代から、今でも家族ぐるみの付き合いがある二人。村田は色々ありながらも妻子を大切にし、あくまで友人づきあいを通そうとしています。里谷は偽装結婚で他に若い男の恋人がいて・・・ある日事故を起こしたために性癖がばれてしまうことになるのですが・・・こういったお話の場合、お互いの気持ちに気付き、所謂当て馬である若い男が身を引いて、二人がくっついてめでたしめでたしになりやすいですが、これはそうじゃなかった!そこが良かったです。二人の友情が無くなったわけでもなく、周囲の人たちも誰も不幸にならず、優しい気持ちだけが残る。いいお話だ。(あとがきは笑えますが。)
【最近の若者は】37歳の喫茶店オーナーと、アルバイト店員のお話。親子ほどの年の差があるものだから、若い子から積極的に迫られてもいまひとつ疑心暗鬼になってしまうオジサン。不安な要素を見つけるたびに、最近の若者はわからないと思いつつ、そんな全てを可愛いと思えてしまうほどにほだされていくオジサンなのでした。つい頷きながら読んでしまうという、オバサンとして共感を覚える作品でした。

おとなりさま (ビーボーイコミックス)

おとなりさま (ビーボーイコミックス)

  • おとなりさま

★★★★☆
念願の一人暮らし、引越し先のおとなりは、課長の家だった・・・できる上司で、尊敬していて・・・なのに、家では正反対。会社の飲み会で酔いつぶれてお世話になっちゃったのがきっかけで、掃除・洗濯・炊事の面倒を見ることになっちゃった窪坂くん。課長にゲイであることまでカミングアウトされちゃうし、課長の世話を焼くのは楽しいと思っちゃうし、まるで嫁のような存在に戸惑う窪坂くんなのですが、飄々としながら甘えてくる課長に結局は美味しくいただかれてしまいましたとさ。(課長が受だけど。)
つかみどころのないヒト・蓮田課長に振り回されながらも喜んでいるっぽい窪坂くんと、どんだけ女王様なんだ(薄汚れているけど)と言いたくなる蓮田課長のおままごとのようなおとなり暮らしのお話でした。

ザイオンの小枝 (スーパービーボーイコミックス)

ザイオンの小枝 (スーパービーボーイコミックス)

★★★★☆
終戦後立場が逆転してしまった、ユダヤ人医師とドイツ人将校の監禁愛。裏にあるものを読み取るのはそれほど難しくはないのですが、なぜ途中に違うお話やパロディを挿入したのでしょうか?最終話が描き下ろしならともかく、既に描かれていたものなのだから、順番どおりに入れていただいたほうがわかりやすかったと思います。それこそ、最終話が無いと、過去に将校がどれだけユダヤ人の少年を愛していたか、少年が青年になり、彼がどれだけ将校のことを大切に思っていたのかがわかりませんからね。ただの、ナチス崩れ監禁SM話になるところでしたよ。
【Chrysalis】蝶と、戦争が引き合わせた運命の再会のお話。これも、裏を読み取らないといけないお話ですが、蝶の習性と二人の関係を重ねたところが哀しく優しいと思いました。ハッピーエンドでなによりです。
【熱の檻】こちらは、ナチス将校とユダヤ人ピアニストのお話。温室で飼われる蝶に重ねたピアニストの哀れさ、立場上これ以上どうにもしてやれない将校の辛さ、戦争は悲しいです。
【Paldias】幼馴染みである大隊長と部下の兵士。理不尽な戦略と一時の安らぎ。えっ?逃亡する予定なんですか?それもいいと思います。
他に、ザイオンの小枝肉球編が3作。犬耳猫耳しっぽ付です。本編よりさらにエロエロです。こっちが描きたくて本編描いたんですか?稲荷家さん

恋愛私小説 (キャラ文庫)

恋愛私小説 (キャラ文庫)

★★☆☆☆
榊さんの作品を読んだのは大変久しぶりです。そもそも、過去にどんな作品を読んだかを思い出せない・・・
で、この作品ですが、大変失礼ながら、この単語(酒の銘柄や料理も含む)や四字熟語は知ってて当然的なクセのある文章に引っかかってしまい、最初のうちは特に読みづらかったのです。受の気持ちが盛り上がってきた当りではそれも気にならなくなりましたが、如何せんそうなるまでが長かった。
そして、重要な主人公の一人・プータロー森宮(小説家・攻)。外見はとんでもなく上等で、人間としてはどうよ?な性格。ちょっと書けば大当たりなら苦労はないねって思っちゃうほど、行きあたりばったりのクセにおいしいところは全部持っていくタイプなので、いまひとつ私が惚れられない。もう一人のほう・川島(出版社社長・受)はなかなかいい人なので、可愛くないこともないんですが、あまりにも世間知らず。詐欺に引っかかるシーンでは思わず「ばかー!」って口に出して言っちゃいましたよ。自宅で読んでいてよかった・・・
というわけで、零細出版社社長と書けない小説家の押しかけラブのはずですが、展開のさせ方を違う方向にして、社長の翻訳家としての才能とか、姿を隠していた時の森宮が考えていたことだとかをもう少し入れてみたら、奥行きが出たんじゃないかなぁと思っちゃいました。胡散臭い男・与猶は不要だった気もするし・・・最後の最後も笑っちゃう展開だったし・・・
実は、表紙買い。
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  • Je te veux 〜君が欲しい〜 (同人誌)

★★★★☆
流星シロップの二人のアマアマエロエロ話と、彼らが空色スピカの二人に生徒会役員を持ちかけるまでのお話。
寡黙な衛守が頭の中でどれだけ峰のことを熱く思っているかとか、意外と峰はあからさまに甘えているんだなぁとか、あと、大胆なエッチ、峰さんそこまでやっちゃいますかって言いたくなるくらい。ご馳走様でございます。