久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

眠る劣情 (キャラ文庫)

眠る劣情 (キャラ文庫)

  • 眠る劣情

★★★☆☆
評価が低くてごめんなさい。つまらなくは無かったんですが、いろんな方面で煮え切らなかったので★3つ。
幼い頃からの美貌ゆえに、自分を押し殺しコンプレックスを抱えて生きてきた晶。自分が原因で怪我をさせた妹は、ブラザーコンプレックスも極まれりな存在で・・・。高校時代に告白されて、受け入れられずに振ったけれど、親友としての付き合いが続いている章文は結婚することになって・・・。自分の仕事先の「からくり人形館」には一風変わったお客・小説家の久緒が足繁く通ってきていて・・・。
それでなくても複雑な人間関係の中にいる晶に降りかかった、妹誘拐事件の犯人からの「章文の婚約を破棄させろ」という要求。その要求に応えるために章文に「好きだ」と嘘をつき、章文に抱かれてしまうのですが、自分の隠された、蔑まれ、嘲笑されることに悦ぶ性癖に気付いてしまって、回を重ねるたびに陵辱されるのを望むようになるのです。そんな晶の態度に引けてしまった章文は離れようとし、事件の解決と趣味の関係で近しい関係になってきた久緒は、だんだん地が出てきた晶のことを逆に気に入ったと言い・・・。
誘拐犯が誰なのか、妹からは解放されるのか、章文とはこのまま上手くいくのか、久緒とはどうなるのか、とあれこれ気にしながら読み進めました。いくつかの伏線もうまい具合に張られていて推理小説として読むのもいいのかもしれませんが、エロもタップリ描かれているのでページが足らなかった感がありました。誘拐犯が誰かがわかってからは、あれよあれよという感じで収束してしまったので、ちょっと物足りなさを感じたのです。
特に久緒との展開が、あまりに物足りないものがありまして、これって別作品のために引っ張ってるのっ?て勘ぐっちゃいました。
それから、今回はとにかく妹の存在が辛くて・・・、兄弟もののホモ話なら、好きではないけど結構受け入れられるのに、兄と妹の近親相姦はなんとも受け入れられないという身勝手さ。

真夜中の学生寮で (キャラ文庫)

真夜中の学生寮で (キャラ文庫)

★★★☆☆
こちらも★3つ。学生ものだからね。怖がり設定にもちょっとばかり無理がある感じだったのでね。嵯峨はカッコイイし、永実は可愛いので、そこはまぁいいんですが、お話の世界観とイラストの雰囲気が私の頭の中でどうにも一致しないし・・・。空手部主将で全国まで行っちゃうような人は、もうちょっとゴツイ感じでいいと思うんですよね。
家庭の事情で寮住まいになった“可愛い顔して威勢がいいのに超怖がり”の永実は、寮長・嵯峨の厚意で彼と同室になってもらい・・・お話は結構先が読めて、そのとおりに進んで行ってくれたがために、始終何かもう一つ欲しいと思いながら終わってしまいました。前半の「真夜中は大嫌い」では自立しようとして挫折して最終的にまとまったお話。後半の「真夜中の学生寮で」はまとまった二人が将来のことを考えながら、自制が効かなくなっていくお話となっていますが、主人公二人は寡黙×遠慮がちなので背中を押してやる役が必要で、その役を嵯峨の友人・藤枝くんが担っています。彼の言葉にはいちいち説得力があるのです。経験豊富だからなのか、自身も辛い恋をしているからなのか・・・その藤枝くんの背景が一番気になっちゃったという・・・何かしらフォローが入るのかと思っていたのですが、そこで終わりですかー?って状態で、次回作に期待せねばなりません。私としては、高校生同士より大人がらみのお話の方が好きなので、是非彼らのお話を読ませて欲しいと思いました。

願わくば側に (ディアプラス・コミックス)

願わくば側に (ディアプラス・コミックス)

  • 願わくば側に

★★★★☆
短編集。作者、初コミックスのようです。私としては表題作の絵より、古い方の絵の方が好みです。
表題作は、チワワのような春川くんが女性でも何の問題も無いお話だと思うので、あまり印象に残らないのですが、2話目の受け君がなりたいものが攻めの嫁なのですが、行動がなかなか男前なのでちょっと印象的。3話めのツンツン王子が一気にデレる様はなんとも言えず可愛いです。4話目は生徒会もの。引退した元会長の居場所が無くって…という着眼点がなかなか面白い設定です。5話目は生活力の無い御曹司のお話。ワガママだけど放っておけない年上美人とガタイのいいワイルド男子っていい組み合わせだ。6話目7話目は超短編。部下からの好きですの一言に婚約破棄できちゃう男ですよ。暗くてとろい奴の“計算外”のところに惹かれちゃったんだねぇ。
あとがきにおいて攻めの暑苦しい度と受けの献身度の比較表が書かれているのですが、これを見ればこの本のお話が一目瞭然でしょう。そうすると、万事に平均的な表題作の印象が薄いのがわかる気がします。

カンゴク69 (ジュネットコミックス ピアスシリーズ)

カンゴク69 (ジュネットコミックス ピアスシリーズ)

  • カンゴク69

★★★★★
両極端のお話が2つ。“両A面コミックス”だそうです。確かにそうだと思う。ちなみに、表題作はうしろの1/3だけですよ。
まず、「ナイチンゲールは夜に啼く」ですが、エロと感動がこれだけ同居できれば大したもんだと思います。先日読んだ「DROP」もBLではないけれどエロと感動がいい感じで同居していましたが、読ませる部分が多めでした。今回は、エロのほうが多めで、どちらかといえばコスプレを楽しむお話といった仕立てなのですが、主人公愛仁くんが恋に目覚めると色々悩みだしてくれて、お話は一気にシリアス方向へ・・・その端々に考えさせられる部分があって、極めつけは最終ページ。ちょろっと涙しちゃいました。
表題作は方言もの、エロエロ予備校生のお話。時間もスペースもないところでの切羽詰ったエッチって燃えるんですね。そこへ持ってきて九州弁?がエロイ。以前、いつき朔夜さんの作品で「好いとう」という言葉に萌えましたが、今回もやっぱりキタ。さらに、襲い受けて攻めてる相手のアナルに指を突っ込んで、自分の中でイカせたあとに、自分が攻めちゃうという離れ業。ページ数は少ないのに、ギューッと詰まってます。クスクス笑いながら読んでたら、旦那に何?って聞かれましたが、このおかしさは読んでみなくちゃわからないと思う。