久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

いとし、いとしという心 (ビーボーイノベルズ)

いとし、いとしという心 (ビーボーイノベルズ)

  • いとし、いとしという心

★★★★★
もどかしいけど、もどかしいけどエロい。あまりにもどかしいので★4つにしちゃおうかと思ったんですが、大変印象深い作品でもあったので、5つにしました。
老舗旅館の次男・千秋と隣家の商店の一人息子・侑央のお話ですが、旅館の長男・荘一(故人)の存在を無視しては語れない、ややこしい関係になっております。家人から大切に育てられ、期待され、仕事もでき、性格も申し分なかった荘一。男は二人要らないと、明らかな区別をされて育ち、独力で生きてきた千秋。小さい頃から荘一のことが好きで、恋い慕ってはいたものの、思いを打ち明けることもできずにいた侑央。その侑央のことが千秋は好きで・・・
まず印象的だったのは、舞台が京都なので全編京都弁でお話が進んでいたところです。正直申し上げて、関西系の親戚がいるわけでもない私にとって、京都弁のニュアンスまで推し量ることができないもどかしさはあったし、なかなか読みすすまなかった原因の一つでもあったんじゃないかと思うのですが、“京都”の雰囲気十二分に感じることができましたし、二人のまったりした会話の裏に潜む思惑やら戸惑いやらをよりいっそう感じられてよかったです。もし、これが標準語仕立てであったら、エロさも半減していたかもしれないと思いました。
もう一つが“着物”です。荘一の葬儀の際の喪服から始まり、季節ごとの着物の数々とその着こなしや崩され方が華を添えています。侑央は凛としてたおやかな色気を放ち、千秋のおしゃれは、大人の男をより際立たせているのです。周囲の人たちまでがビジュアルとして浮かんできそうなほどに、色を始めとする描写も細やかです。これらは、旅館「井筒屋」のしつらえにも言えることで、大変贅沢な気分を味わうこともできました。(こんなしつらえ、婦人画報でしか見たことないですから。)
そして、(あとがきでかわいさんが言っている)“喪服未亡人”侑央が兄に片思いをしていることを知っている“狡くて、酷い男”(帯にでかでかと書かれているほどの…)千秋が、いかに侑央を絡めとっていくかが一番の読みどころだと思うのですが・・・
頭脳派の千秋なので、何につけ抜け目がなく、そこに持ってきてなかなか辛辣な言葉を吐くものだから、侑央ばかりが責められているように思えて、“弱っているところにつけこんだ”様なシチュエーションなのですが、私としては千秋ほど努力家で辛抱強く、真面目でいいヤツはいないんじゃないかと思うわけです。エッチシーンのほとんどは、千秋から無理強いされているような状況なのですが、彼が侑央を脅すような態度の裏に、糸を引くような甘さを感じ取れるのは私だけではないと思います。この甘さこそが「いとし、いとしという心」なんだと思いますが、どうでしょう?だから悩むこと無いじゃない、甘えちゃえばいいじゃないって侑央に言いたくなっちゃいます。
いやー、読み応えがありました。

ホライズンブルー (幻冬舎ルチル文庫)

ホライズンブルー (幻冬舎ルチル文庫)

  • ホライズンブルー

★★★★☆
ワケありの青年・宮緋とワケありの芸能人・小早川のひと夏のお話。
この“ワケあり”の内容がなかなか明らかにされないのがこのお話の特徴かと思います。自分も克服しなくてはいけないものを抱えていて、祖父母が経営している民宿に居候している宮緋が、海に身投げした小早川を助け、不本意ながら同居生活をするうちに・・・
不自由な島の生活で、何もできない小早川のことを疎ましがりながらも仕事を手伝わせたりと、一緒に行動するうちに少しずつ心を開いていく宮緋。始めのうちは傍若無人な態度を見せてもいたけれど、意外と素直ないい奴だった小早川。小早川の方が宮緋に積極的にアピールするようになり・・・
そこで、報道記者の助手をしていた宮緋の過去が明かされていくわけですが、それは小早川の悩みよりはるかに辛いもので・・・
それぞれが簡単には克服できない問題を抱えているのに、相手がはまり込んでいる深淵から引きずり出してやろうとしている様は、そのぶつかり合いが痛々しくも見えますが、彼らには必要なものだったのねとキュンとくるものでもありました。
夏の海、台風の夜、船の上の一夜、ホライズンブルーの海、これからの季節に読んでこそでしょうか。

恋について (プラザCOMIX Hollyセレクション)

恋について (プラザCOMIX Hollyセレクション)

  • 恋について

★★★★★
もどかしい、このやろう、なんでだよ、って思いながら、小説も読んだし「ergo」の連載も読んでいましたが、コミックスとしてまとめて読んで、“となりにいた旦那にも読ませたくなるほど”いい後味の作品になっておりました。後味がいいって重要かなと思います。あと、カバーイラストも最高におしゃれだ。
どうにもこうにもヘタレな公務員・笹川と、真面目・自己完結型のブライダルコーディネーター・朝霞の、客と担当の関係から友人としての付き合いを経て、恋心が芽生え、葛藤し、まとまるまでのお話です。恋愛がらみだけでなく、仕事のことでも悩んだり嬉しくなったり、なかなか浮き沈みの激しいお話でもあります。
気心が知れて話しやすい相手でも、他人の考えていることなんか話してくれなきゃわからなくて当たり前なのですが、自分の気持ちすらハッキリしない場合はこんなにこじれちゃうんだね。確かに、相手が女の子だったらきっとすべてうまくいくのに・・・
で、好きなシーンは、酔っ払いのヘタレ笹川がどうしようといいながらキスするところと、「台風一過」のお風呂でのエッチ。ヘタレ笹川を朝霞が引っ張っているようで、笹川さん結構強引っていうのがいいなぁ。

ジョーカーの甘い嘘 (ビーボーイコミックス)

ジョーカーの甘い嘘 (ビーボーイコミックス)

  • ジョーカーの甘い嘘

★★☆☆☆
ドS生徒会長と生贄の受難ラブということで、ちょっと読んでみたくなり学園ものとは知りながら(学園ものはあまり得意ではないことに最近気付いた私)、手を出してみました。評価が低くてごめんなさい。期待したのと違ってました。生徒会長はドSなのではなく、貴史くんを独り占めしたいだけだったんじゃないですか?そういうのはドSとは言わないと思いますが、私が間違っているのでしょうか?好きな子を孤立無援にして、自分だけを頼らせる。???Mの飼育方法の一つでもあるか?そうすると、会長はドSということになるのか?んーーー、でもどうにも物足りなさを感じたのでありました。そうだ、貴史くんが意外と参っていないからかもしれない。Mは悲壮感が漂わないとね。生徒会長はドSだけれど、生贄のはずの貴史くんが普通の少年だったのですね。

エイキエイキのぶっちゃけ隊!! (ウィングス・コミックス)

エイキエイキのぶっちゃけ隊!! (ウィングス・コミックス)

  • エイキエイキのぶっちゃけ隊

評価はやめます。影木栄貴さんのエッセイ漫画。たまたま総理大臣の孫に生まれちゃったから、さあたいへん。そんなご苦労があったのですね。
DAIGOがDAIGO☆STARDUSTで売り出した頃に、コミックスだったかで弟をよろしく的なコマーシャルを見たことがありました。で、笑っていいともに出演した彼のスタイルを見て、「昔の西城秀樹のようだ」と思った私でした。袖がビラビラだったんで・・・服そのものは星条旗デザインのスパンコールでしたよね。DAIGOとして再デビューしたとき、その話を周囲の他人にしたのですが、みんな知らないの。あんなに目立ってたのにね。
そういえば、最近普通のBL作品にはお目にかかっていないですよね。是非また描いてほしいです。