久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

消エル蜜月 (二見書房 シャレード文庫)

消エル蜜月 (二見書房 シャレード文庫)

  • 消エル蜜月

★★★★☆
近々アパートを追い出されバイト先のコンビニも閉店することになって途方にくれている天涯孤独のソラのところに、亡き祖父に世話になったお礼と言って高梁という投資会社社長がやってきます。彼は、遠慮するソラにたたみかけるように、自宅での同居や仕事の斡旋をしてきます。戸惑いは感じながらも、背に腹は変えられずその誘いに乗ったソラは、高梁との同居生活を始めるのですが・・・せめてものお礼に家事をこなすソラと、少しずつスキンシップが濃厚になってくる高梁。次第にソラは高梁の手練手管に篭絡されていくのです。ところが、ある人物に高梁がソラに近づいた本当の理由は他にあると知らされて・・・
展開としては、シンデレラストーリーにちょっとS気味な攻というスパイスを効かせたお話なんだなと思っていたのですが、後半はサスペンス仕立てという、まるっきり違ったテイストの展開となりました。拉致監禁あり、アクションあり・・・そういう意味では一冊で二度楽しめるお話ですが、私としてはどちらかに絞ってじっくりと展開していただいた方が嬉しかったなと思います。
ちなみに、投資会社の仕組みが垣間見られたのは勉強になりました。

後にも先にも (キャラ文庫)

後にも先にも (キャラ文庫)

  • 後にも先にも

★★★★☆
仕事は出来るが子持ちでダルダルな魔性(ここ重要)の探偵・川崎がある日拾った酔っ払い・田村に押し倒されちゃって・・・前半は、川崎に惚れ込んだ田村(リストラサラリーマン)が、ストーカーのように付きまとい、どうにか気に入られようと頑張るお話が中心です。性格も外見も、仕事ぶりすら申し分無い田村が、なぜリストラにあい次の仕事先がなかなか見つからないのかは後々分かってくるのですが、とにかく前半は、大型忠犬田村に、だめだだめだと思いながらもどんどん惹かれていってしまう“良き父”であろうとする川崎の懊悩が楽しめます。
そんな反面、仕事で失踪者の捜索に関わるお話も平行して語られます。後半は主にそちらの話が中心で、命に関わるほどの事件に巻き込まれていくのですが・・・
田村の二面性にクラクラし、川崎が自分の気持ちに蓋をして父親であろうとするところに感動し、ただのヘタレワンコ×ツンデレオヤジではないお話が読めました。それにしても、そんなところに伏兵が・・・だったので、なんだか悲しくもなりました。