久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

束縛の呪文 (キャラ文庫)

束縛の呪文 (キャラ文庫)

  • 束縛の呪文

★★★★☆
高校時代からの恋人であるはずの義隆と喬一の、俳優とカメラマンになってからも続く恋の駆け引き(?)のお話でした。
いい男で俺様で、よくモテて飽きっぽくて、知らないうちに俳優になっていた義隆。高卒と同時に義隆に告げずに渡仏し、時々帰国してはスルリスルリと義隆の腕から逃げてばかりいる喬一。初めのうちは単に、美人でしたたかな喬一(受)に手のひらの上で転がされている、俺様な割に間抜けな義隆(攻)の、エッチ重視のお話なんだと思っていました。そうでなかった訳ではないのですが、お話はもう少し複雑で、思いっきりひねくれている喬一に義隆のみならず、読者までもが振り回されちゃったと思えるくらいの展開になります。喬一はよくもまぁ次から次へと“マイナス”なことを考え付くものです。この頭の回転をもっと他に使えばいいのにって思っちゃうくらい、先読みして予防線を張り、それが破られそうになるとさらに次のことを考える・・・Mが痛めつけて欲しいから、わざとSの気に入らないことを仕掛けるってやつです。いたちごっこでしょうか?
まぁ、夫婦の倦怠期もマンネリから始まるのでしょうから、何かにつけ危機感を持ちながら生きていくのは結構なことじゃないかと・・・夫婦喧嘩は犬も食わないって言いますから・・・
ちなみに、2話目の「解放の呪文」に出てくる薫くん。いいひと過ぎるのですが・・・せっかくいいキャラなので、当て馬にするだけではもったいなかったなと思いました。