- 作者: 夜光花,奈良千春
- 出版社/メーカー: 大洋図書
- 発売日: 2010/08/30
- メディア: 新書
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- 薔薇の刻印
★★★★☆
ネタバレしないと感想が書けなそうです。
あとがきにおいて作者いわく、「吸血鬼」ものだとのことです。確かに耽美な部分も多いですが、どちらかといえば「ゾンビ」もので「アクション」要素のほうが多い、吸血鬼ものの王道からは少し外れた作品です。「不死者」とそれを葬る力のある「薔薇騎士」のお話なので、ヴァンパイアとヴァンピールのお話と言っていいのかもしれませんが、この巻では狩られるものの姿はまだはっきりと語られていないのです。
主人公の高校生・啓が繰り返し見る夢、謎の多い家族、血なまぐさい事件など、今回のお話はこのシリーズの導入部分だけといってもいいでしょう。その導入部分だけで、既に何人死んでしまったのか・・・久しぶりに大量に人死にが出るお話を読みました。主要人物だと思っていた南条くんまで・・・
そして、このお話はBLでさらに帯にもあるように「守る者と、守られる者」のお話でもあるわけですから、啓をとりまく“レヴィン”をはじめとする複数の人にそんな気配があるのですが、この先素直に問題の多い男・レヴィンとまとまるのか、そばにいると安心できる陽気なラウルとまとまるのか、はたまた違う展開があるのかまだはっきり分からないのです。
BLとしての要素はともかく、「不死者」と「薔薇騎士」がどんな戦いを繰り広げるのか、親子とは恋人とは、など気になることが満載なので、早く次を読ませていただきたいです。