久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

CHERRY (チェリー) (ディアプラス文庫)

CHERRY (チェリー) (ディアプラス文庫)

  • CHERRY

★★★★☆
可愛くて、キュンとして、幸せになれる、とっても好きなお話です。★5つにしてもいいかなと思ったのですが、お話としての凄さはそれほどでもなかったので、4つで。
いいところの坊ちゃんで、成績もよく、容姿も申し分ないけれど、性格がよろしくない王子様な大学生・直希。ふとしたことから、他の学部の准教授・阿部に本性を見破られてしまい・・・
鼻持ちならない直希ですが、成績がいいのもモテるのも、見えないところで努力している結果なわけです。恋愛の部分でも、ついカッコつけて見栄を張ってしまうがために、本気のお付き合いまでなかなか漕ぎ着けず、唯一の脱童貞のチャンスですら大失敗に終わる始末。本来は内向的なタイプなため、不味いことが起きると相手のせいにして逃げ出しちゃったりする嫌な奴でもあります。しかし、そんな部分を阿部先生に見抜かれてしまったことによって、却って肩肘張らない自然体でいられる場所を見つけたのです。それでも元がオレ様なので、なかなか素直になれないところも可愛いし、そんな直希を手のひらの上で転がすように、常に飄々としている阿部先生も結構曲者で楽しいのです。
2話目の「PEACH」は晴れて恋人同士になった二人のその後です。ツンツンしっぱなしの直希ですが、いざ阿部先生に会えなくなると居ても立ってもいられなくなって・・・あれこれあって、やっと心も体も通じ合っちゃうまでのお話です。とにかく一々姑息な手段を考え付く直希と、その上を行く阿部先生のやり取りが楽しいのですが、何といってもやっぱり温泉旅館のシーンが一番でしょう。浴衣と桃と、温泉と・・・素直になって気持ちよくなったくせに、最後で毒舌のカウンターパンチ。初めての夜の次の朝、気まずいからといってそんなこと言っちゃいますかなのですが、そこが直希ですよね。で、そこへかぶせた阿部先生の言葉。結局阿部さんの勝ち。でも、直希としてはそれが嬉しいんでしょうね。