久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

ダブル・バインド (キャラ文庫)

ダブル・バインド (キャラ文庫)

★★★★☆
ナンバーが打っていなかったので、読みきりシリーズなんだと思っていました。思いっきり続き物でした・・・
刑事の上條と、高校の後輩で今はクリニカル・サイコロジストである瀬名を中心に、殺人事件やら多重人格やら極道やら過去のしがらみやらが絡み合って、これからどうなる???なのです。
それにしても登場人物が多いですよね。しかし、それぞれにきちんと役割があるので、おろそかにできないわけです。キャラ紹介のページを作って欲しいくらいです。今のところ、前述の二人と、多重人格少年・祥、極道の新藤とその愛人の葉鳥が印象深い展開になっていますが、監察医の女医・絵里と年下の恋人・日下くんも気になるし、刑事の皆さんも個性的なので・・・
そして、殺人事件の行方、上條と瀬名の関係、新藤と葉鳥がどう絡んでくるのか、謎だらけの存在・祥は結局どんな少年なのか・・・何冊シリーズになるんでしょうか?これだけ背景が多いとあと1冊では決着付かないですよね。

犬と小説家と妄想癖 (ガッシュ文庫)

犬と小説家と妄想癖 (ガッシュ文庫)

  • 犬と小説家と妄想癖

★★★★☆
官能小説家の不破と高校の数学教師・鮎川は、大学時代からの親友です。鮎川の不注意で不破が怪我をしてしまったものだから、小説の口述筆記を引き受けることになったのですが・・・
どう考えても不破はずーっと鮎川に片思いをしているわけですが、とにかく、鮎川が天然記念物並みに純情無垢で、不破の気持ちに気付かないどころか、自分の中にある微妙な恋心にも最初から否定で立ち向かってしまうくらいです。押してもだめなら引いてみればいいとは思いますが、溜め込んだ思いをどうにか押さえ込める不破の精神力たるや脱帽の思いです。まぁ、引かれれば不安になっちゃう鮎川なので、二人の関係はいい方向へ進んでくれるんですけれど。
第1話「犬と小説家と妄想癖」で、ギクシャクしながらも恋人同士になった二人ですが、第2話「猫と数学教師と独占欲」になってもさらにギクシャクギクシャク・・・どちらにしても鮎川が自分で答えを見つけ出していく展開です。不破は、ただひたすら鮎川が心を開いてくれるまで待っているわけなので、辛抱強いというか、マゾというか・・・面白いのは、グルグル悩みながらやっと結論に達すると思いっきり突っ走る鮎川先生です。書き下ろし「手の中の瑠璃」では、けっこんするとか言っちゃうし。出だしはエロエロな描写の小説なので、どんなエロコメディになるんだろうと思っていたのですが、とっても真面目な二人の、とっても真剣な恋愛のお話だったので、この先はただハッピーに暮らしていってほしいなと思いました。
ちなみに、脇役の編集さん・沖屋が主人公のお話が、来月出るそうです。どちらも昔、ビブロス版で買ったような気もするのですが、きっと積読の山の中なのです・・・