久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

でも、傷つけたい。 (幻冬舎ルチル文庫)

でも、傷つけたい。 (幻冬舎ルチル文庫)

  • でも、傷つけたい。

★★★★☆
実は、お話の展開としてはちょっと好みから外れています。どこがと言えば、主人公の壱嘉がフラフラしすぎているところです。(まだ、感想を書いていませんが、先日聴いた「家賃半分の居場所です」の主人公も、ゲイという世界で自分を好いてくれるのは、それだけで嬉しい位のことを言っていましたが、こちらも同じタイプです。)好きだと言われれば嬉しくなっちゃって、すぐ付き合っては捨てられて・・・どうしてこう学習能力が無いんだろうと言いたくなるくらい不甲斐無いし、女々しいやつなのです。
ただし、こんな奴のお話が成り立つために、“アパートの大家の孫”博武が存在します。5つも年下なのに、始めっから大変しっかりしている頼れる男です。彼が中3から高3の間のお話なのですが、壱嘉が就職し、事件に巻き込まれていくのを見守りつつフォローに回るわけです。壱嘉が失恋しては慰め、新しい恋を見つけたと言えば注意を促し、まずいことになれば“スーパーヒーロー”のように助けに現れるのです。どんだけ我慢がいいんだこの子はって思っちゃうくらい、ただひたすら陰から壱嘉を支えているわけです。
しかし、どうやら「でも、傷つけたい。」というタイトルのとおり、傷ついた壱嘉を見守り、颯爽と現れて助けるのが彼の至上の喜びなんではないかと・・・
ちなみに、壱嘉の頼れる年上のゲイ友・友己のお話が読みたいです。

兎オトコ虎オトコ 2 (ショコラコミックス)

兎オトコ虎オトコ 2 (ショコラコミックス)

  • 兎オトコ虎オトコ2

★★★★☆
幸い(?)、CDをまだ聴いていないので、3巻につづく・・・のショックが大きかったです。いいところで終わっちゃっているんだもん・・・
今回のお話は「発砲事件」の事の顛末がメインなので、なかなかきな臭い展開なのですが、野波さんと卯月先生が並ぶと、なぜかほのぼのしちゃう。少しずつ少しずつ二人の感覚が狭まっている感じなのですが、いいところで一々邪魔が入るし・・・挙句の果てに大事件が起きて、つづく・・・え・え・えっー!?です。次巻がいつ出るのか分かりませんが、CDの方は完結しているとのこと。こうなると、CDを先に聴いて結末を知るべきか、お蔵入りさせておいて後で聴くべきか迷うところであります。(でも、きっと聴いちゃうと思います。)
で、今回もやっぱり卯月先生の後ろ頭に萌えさせていただきました。いや、今回は後ろだけでなく、正面の可愛いお顔も堪能いたしました。彼以外やくざさんもお医者さんもみんなゴッツイ男達なので、彼だけがデフォルメされているように思えるくらい小さくて可愛いわけですが、決してパースが崩れているわけではないので、いわゆる三頭身的な可愛さではなく、あくまでも同じ世界に存在する小柄な人としての可愛さが溢れかえっています。どうしてこんなに可愛いんだろう?意外とピュアな野波さんとのやり取りも好きですが、先生を見ているだけで癒されますぅ。

運命なのに最悪な教師 (GUSH COMICS)

運命なのに最悪な教師 (GUSH COMICS)

  • 運命なのに最悪な教師

★★★★☆
表題作は、憧れの先生を追って教師になり、同じ学校に赴任した衿原先生の受難のお話です。憧れと現実は大いに違って・・・っていう展開の、やや襲い受け気味なお話でした。これに限っていえば★3つかな。まだ続きそうな気配の短編だからです。
【僕があなたに恋した瞬間】の方が、この本ではページを使っています。前作「その男、ロクデナシ」のスピンオフです。デザイン事務所の中で繰り広げられる悩み多きノンケ眼鏡・加賀谷と傷心のゲイの上司・一ツ木のお話なのですが、何がいいって、お仕事がいっぱい絡んでいるところがとってもいいのです。展開としては王道なのですが、安易にエッチに走るでもなく、少しずつ二人の関係が近づいていくさまが読めてじっくりと楽しめました。前作の主人公であり社長の東野が、お話にメリハリをつけてくれているので、頼もしい限りでした。
どちらかといえばこっちのお話の方が面白さも上なので、表題をチェンジすればいいのにと思います。この後表題作の続編が出たら、また違う作品の同時収録にするのでしょうか?ややこしいことはしないで欲しい気もします。