久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

全ての恋は病から (白泉社花丸文庫)

全ての恋は病から (白泉社花丸文庫)

  • 全ての恋は病から

★★★★☆
ちるちるで評価が高かったので読んでみました。不治の病(?)を患っている二人の大学生のお話です。ある日夏市の隣に引っ越してきたのは、同じサークルの先輩・椎名でした。それぞれが、他人に言えない性癖を持っていて、それがバレてしまったので、逆に利害関係が一致したようになって、持ちつ持たれつの微妙な関係が始まります。
開き直っちゃったゲイの夏市は、お婿さんにしたいほど面倒見がいいし、ツンキャラかと思っていた椎名はお姫様程度のツン度合いで、純情無垢な可愛さを持った、いまどき見かけないような天然美青年なのです。お話の展開上、横恋慕組が出てきたりしてなかなかもどかしいのですが、とにかく割れ鍋に綴じ蓋どころじゃないくらいピッタリのカップルなので、両思いになる前からあまあまなところが楽しかったです。肩の力を抜いて楽しめる良作だと思いました。
ちなみに、椎名のトラウマって、私が母親から“しつけ”と称してされた体罰と同じですね。(さすがに、生尻ではありませんでしたが。)あの頃は、虐待などという言葉はポピュラーではなくて、子供をしつけるためにはどこの親でも、何らかの体罰を与えていたんじゃないかと思います。学校の先生だって、立たせたり正座させたりは当たり前だったわけですが、今そんなことするとPが大変なんでしょ?で、私が母親を恨んでいるかといえば、決してそんなことはありません。だって、叱られるようなことをしたのは私だからね。そして、子供も成長します。中学生のある日、Gパンをはいた状態でものさしでお尻を叩かれたのですが、全く痛くない・・・そこで、それからは逃げ回るのをやめて、素直にお尻を出すことにしたんですね。そしたら、何回かすごすうちに、母親も不思議に思ったらしく、なぜ素直になったのか訊ねてきました。理由を話して怒られるかと思いきや、なぜかそれからは叩かなくなりました。叩かなくなった理由は、ものさしが壊れるからって言っていましたが、空しくなっちゃったんでしょうね。私だって、子供に態度に超腹が立って手を上げたことがあります。ところが、二人とも見事にすかして下さって、それでカーッとした気持ちは無くなっちゃった・・・横道にそれました。

浪花少年★クライシス (キャラコミックス)

浪花少年★クライシス (キャラコミックス)

  • 浪花少年★クライシス

★★★★☆
文化祭での夫婦漫才がきっかけで始まった秀才眼鏡・浅沼と、大阪出身美少年・八木橋の、ドタバタしてるけどとっても真面目な恋のお話です。
一話目が発表されたのはなんと6年前。一年に一話のペースで続きが描かれ、さらに3年間をあけての大量描き下ろしという、気の長い展開だったようですが、テンポよく違和感なくまとまっていて良かったです。
この作品の一番の読みどころは、やっぱり八木橋の関西弁の突っ込みだと思います。結構猪突猛進タイプの浅沼と、意外に慎重派の八木橋だからこそ、この、ずっと漫才しているようなやりとりが楽しいのだと思います。悩んでいるのに面白いんだもの。
時々一句詠む担任の先生や、お邪魔虫のヒロ兄や、八木橋を女装させたい矢口さんなど、なかなかいい性格しているキャラも楽しかったです。
それにしても、広川さんの線が細めな絵柄で、結構ドタバタしたコメディってどうなんだろう?と危惧していたのですが、全然問題なし。反対に、この絵柄だからこその高校生っぽさだったり、揺れ動く気持ちだったり、未熟さだったりが伺えるからなお良いのかなとも思いました。で、ちゃんと、大阪弁が話せる人を配役してドラマ化してほしいなとも思いました。

さよならチキン (バーズコミックス リンクスコレクション)

さよならチキン (バーズコミックス リンクスコレクション)

  • さよならチキン

★★★★☆
初コミックスだそうです。裏表紙のあらすじに「俳句投稿というシブい趣味を持ち・・・」という表現があったので、どんな先生なんだろうと興味がわいて詠むことにしました。んんーーー俳句はあんまり関係なかったかもしれない・・・
最初のカップルのお話は、2話からなっています。(おまけ漫画が2話ありますが。)
お話としては、教師という立場で生徒から慕われるようになり、自分もまんざらではないもののモラル的に受け入れられず、過去のトラウマにも引きずられて・・・という展開です。健気に積極的に迫ってくる斉藤くんに“チキン”さをあらわにした態度をとりつつも、どんどん引かれていく青木先生。俳句はあまりアピールされませんでしたが、手紙であったり、答案用紙であったり、国語の先生らしいアイテムがいい感じに登場していたのが良かったです。
もう一カップルは、恋心を引きずったまま離れてしまい、10年後に再開した同級生です。題名にもなっているとおり、「坂を上がる」ことが大変重要です。気持ちは揺らいでいないけれど、はっきりと背中を押してくれる何かが必要な恋ってありますよね。
ちなみに、私の初恋(?)は高校受験のとき儚くも消えました。中学時代片思いをしていたM君に、受験が成功したら告白しようと思っていたわけです。二人とも絶対合格すると思っていたので、その勢いで告白できると思っていたのですが・・・Mくんのほうが落ちちゃいまして・・・それを知ったときは「顔から血が引くとはこういうんだ」というのがはっきり分かるくらいおでこに縦線状態でした。これは神様が告白するなと言ったんだと変に納得してしまい、告白することなく初恋は消えたのでした。