久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

ひばりひなどり巣立つ日に (CITRON COMICS)

ひばりひなどり巣立つ日に (CITRON COMICS)

  • ひばりひなどり巣立つ日に

★★★★☆
短編集です。
【小鳩が一羽、巣立つ日に。】ひばり荘シリーズ第1話。親の態度に嫌気が差して家出してきた高校生・小鳩とひばり荘のオカミさんカナさん(男)のお話です。親身になって話を聞いてくれるカナさんにすっかり甘えてしまっている小鳩と、小鳩の将来まで考えて厳しくするカナさん。「バッドエンドカタログ」が初出なので、このお話だけだと別れたままで終了。この続きは【金糸雀のカラの巣箱】シリーズ第4話で読めます。初出が「攻×攻カタログ」だっていうことは、小鳩もカナも攻になる可能性があるってこと?まぁ、甘ったれだった小鳩も大人になって戻ってきたし、意外と寂しがり屋のカナさんを包みこめそうですしね。
【ビルの谷間のアホウドリ】シリーズ第2話。上京してゲイ人生を謳歌しようと思っていたのに上手くいかない大学生・卜部と、投げやりなゲイ人生を送っているシノ先輩のお話。それまでのシノ先輩の生き方に賛成はできませんが、卜部くんが「でも俺は 段階ふんで あんたとやりてえ!」と言ったところに“よしっ”って思いました。本気ならそうだよね。
【折れた鴉の骨と爪】シリーズ3話目。食事つきのひばり荘の食事を断ってまで、部屋にこもって仕事をしている漫画家・小豆沢アズサと新人編集者・成瀬のお話。親友に叶わない恋をしたままの小豆沢と、その親友・今田の静かで辛い関係が印象的です。ほだされて結ばれるお話が多い中、今田は小豆沢の気持ちを知りながら、一貫して小豆沢の気持ちを受け入れることはしません。そこがリアルな感じで大変よろしい。その分、もともと小豆沢の大ファンだった成瀬が頑張るのですが、もうほとんど甘やかし放題って感じです。で、小豆沢は↑の「金糸雀〜」や描き下ろしではすっかり成瀬一筋の人になっております。可愛いしエロい。
後はショートストーリーが6話。どれもなかなか面白いです。

鼓動の予感-ヴァイタル・ゼロ- (花音コミックス)

鼓動の予感-ヴァイタル・ゼロ- (花音コミックス)

  • 鼓動の予感〜ヴァイタル・ゼロ〜

★★★★☆
お話の始まりは、なんだかミステリアスな感じがしましたが、何のことはない職場恋愛のお話でした。過去のトラウマとか、本当に好きな人は誰なのかとか、ストーリーとしては王道ですね。贅沢を言えば榛名の裏事情とかがもっと詳しくわかったら、多少王道から外れたんじゃないかと思うのですが、いかがでしょう?どうにも「時元の扉」のバーテンをやっている理由が説得力がないので・・・
で、なぜ★4つかと言えば、絵が好きなんだもん。それでいろいろ許せちゃうんだもん。特に口が好きですよー。

ジンと猫は呼ぶと来ない (花音コミックス)

ジンと猫は呼ぶと来ない (花音コミックス)

  • ジンと猫は呼ぶと来ない

★★★★☆
「向日性のとびら」のスピンオフとのことですが、私にとって「向日性〜」が難解だったので、この作品を購入しようか迷いました。で、結局購入したわけですが、今度は結構わかりやすかった。私があまり好きではないドラッグや殺人などのブラックな設定が背景にあるのですが、とりあえずはすっかりダウンな気分にはならずに済みました。主人公は殺し屋のマリだと思うのですが、彼を取り巻くジンを始めとする個性的な面々が勝手な行動をしてくれるので、なかなか面白い展開でした。
【残像】「NON Tea Room」のスピンオフだそうです。お話を忘れています。コミックスは本の山の下の方・・・二人のその後を知りたくても掘り出せない・・・あー、もどかしい。だってこれだけだと、バッドエンドですよ。
【幸せになるのだっ!】人類を救うため、子孫を増やすという使命を帯びて天使が地上に降ろされます。無精子症のアキラのそばにはゲイの天使がやってきます。彼が周囲の男達を幸せにしていくのを横目に見ていても、ただひたすらいじけていくばかりのアキラ・・・お話はおちゃらけたおバカなエピソード満載で、笑える展開なのに、「なんでこんなアホなのに泣けるんだろう?」と言えるくらい泣いちゃいました。不思議。
で、全体の感想は、なかなか面白かったのでした。

カクゴをきめて (ディアプラス・コミックス)

カクゴをきめて (ディアプラス・コミックス)

  • カクゴをきめて

★★★★☆
可愛い恋がしたいヤクザの息子・鉄と、不運にも彼と出会ってしまった結構不幸な大学生詐欺師・瀬能のドタバタラブ。始めは鉄が瀬能に弄ばれちゃうようなシチュエーションでしたが、基本が極道の鉄なので、瀬能を振り回すことになります。詰めが甘いヘタレな瀬能とぶりっ子ドSの鉄がまとまるまでのお話。鉄に片思い中の幼馴染み友紀の気持ちもなんのその、三角関係にもなれないままハッピーエンドです。
その、友紀の為のお話が【カクゴをさせて】です。今度は、友紀パパとまじめちゃん(教師)との三角関係のようなお話ですが、先生の四角四面なところと結構エロいところのギャップがなかなかよろしいです。
ヤクザの世界はこんなに甘いものじゃないとは思いますが、鉄パパや友紀を始めとするヤクザさんたちもいいキャラで、なかなか楽しかったです。

立ち読み禁止! (もえぎ文庫)

立ち読み禁止! (もえぎ文庫)

  • 立ち読み禁止!

★★★★☆
「お仕事ください」がなかなか面白かったので、読んでみました。今度は“面白い”展開ではありませんでした。そういう意味では、熱血もの?でしょうか?ただひたすら“本が好き”なブックアドバイザー瑛久は、現実の世界よりお話の世界にリアルを感じるような内向的な人間です。そんな彼を好きだと言う出版社の営業・由里と、書店の客・日比野に挟まれた瑛久が現実の世界も魅力的だと知るまでのお話です。何に付けスマートな由里と、気持ちだけは熱いけれどパッとしない日比野がまるで北風と太陽のように瑛久の気持ちを自分に向けようとするのですが、瑛久の方も、仕事や生活をしていく上での損得までを考えてしまい、はっきりと答えが出せないままお話は佳境へ。まぁ、始めからなんとなく伏線がわかっちゃっているような展開なのですが、お決まりの展開ではあるものの、日比野がヘタレなのに熱血なところが好ましく受け取れると言うか、頑張れ日比野って思っちゃうような、日比野君がとってもいい子なお話でした。