- 作者: 秋月こお,九號
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2010/03/01
- メディア: 文庫
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- 幸村殿、艶にて候 7
★★★★☆
最終巻です。前巻で九州から戻ってきたので、これで終わりなのかなぁ?と思っていたのですが、その割には人間関係の諸々が決着ついていないから、終わられちゃうと納得いかないなぁとも思っていたわけです。
上田に戻り、次の任務の為に作戦を練る幸村なのですが、父真幸にダメだしをくらうわ、恋しい人には会えないわで、一人やけ酒の日々・・・一緒に戻ってきた真田組の面々に相談もせず、拗ねているのです。そういう意味では融通の利かない佐助は、クソ真面目に幸村のストレス発散のお手伝いをより効果的に勤める為、才三に手ほどきを再三頼むことになるのです。しかし、それぞれが得意な技を持っている面々なので、拗ねた幸村を巧みに浮上させ、今度は小田原城の密偵のため旅立つのでした。
小田原に行くまでのお話は、今までのようにピリピリした感じはなく、それぞれの行動にゆとりがあり、佐助や才三が姿を隠さずにいる部分が新鮮でよかったのです。また、小田原に行く道中から小田原での騒動で大変な出来事が起きるのですが、こちらでは再び、血わき肉おどる彼らの活躍が待っています。そして、ハラハラドキドキの結末として、なるほどそう落としましたかというお話の終わり方になっています。
あとがきにて秋月さんも言っていますが、才三が一番いい思いをしていると思います。幸村、佐助、才三それぞれが恋しく思う心と、持て余すからだと・・・結局こうなるのが一番いい方法だったのかなと思うしかない終わり方です。まぁ、どちらかと言えば、恋の行く末よりも彼らの真田組としての活躍を楽しむ作品ですよね。幸村の「聞く耳を持ち、反省できる人」であること、佐助の「真面目で忠実」であること、才三の「客観的にものを見られる」こと、甚八の「懐が深い」ところ、六郎や小介の素直なところ、十蔵の「空気を読む」ところ、などなど、小学生の感想文が書けそうな、道徳的な内容も豊富なので、色っぽい部分を抜けば、冒険活劇として子供に読ませたいくらいでした。
- 作者: 桃山なおこ
- 出版社/メーカー: シリカ編集部
- 発売日: 2010/04/10
- メディア: コミック
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- 恋の中
★★★★☆
短編が6作+描き下ろし1作です。『僕たちは、過去の現在の 起こるかもしれない未来の 恋の中にいる』(カバー裏より)
【恋の中】止まったままの過去の恋を話すことによって昇華し、新しい恋に踏み出すお話だと思います。後悔ばかりの恋の中から、光射す未来へ・・・
【スタート/スタート】幼馴染みのマコに彼氏ができて、複雑な思いの哲ちゃんは・・・こういったお話だと王道の場合、最終的にマコと哲ちゃんがくっつくことが多いですが、これはそういう展開じゃなかったのが新鮮でした。哲ちゃんのためには別に年上眼鏡の先生がいるわけですが、このお話は哲ちゃんが自分の気持ちに折り合いをつけるところで終わっています。先が色々気になります。
【すきなひと】自分が好きなのは誰なのか、自分が大事なのは誰なのか、自分に今必要なのは誰なのか・・・ちゃんと答えが出てよかった・・・
【サマータイムロスタイム】勢いで告白したあとは・・・相手の態度の一つ一つにハラハライライラ・・・↑3作が微妙な三角関係だったので、このお話の純情な二人にちょっとホッとしました。
【愛情イーター】【愛情フラッパー】なぜか弁当屋をやっているヤクザが突っ張っているチビ高校生を餌付けするお話?ちがうか、高校生が好きなばっかりに弁当屋を畳めないヤクザのお話?それもちょっと違う?でも、そんなお話。
【君と見た風景、君と見る風景】今まで一緒にいた友人、これから一緒にいるなら恋人?答えはまだでないけれど、なくしたくない大切な人。
- 作者: 梅太郎
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/04/01
- メディア: コミック
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- 欲しがる指先
★★★☆☆
ワケアリの学生・茶色に手を出してしまった大学職員の織田。遊びのつもりが本気になっているのに、気持ちと行動がちぐはぐで、茶色を傷つけ、自己嫌悪に陥り・・・“欲しがる指”は織田の指だったんですね。織田の人でなし加減と、茶色のワケアリ背景がいまひとつ私好みではなかったので、★3つになりました。
【ピンク・ベルベット】は↑の織田の後輩・星咲とその義弟のお話。始めっから両思いなのに、星咲があまりに兄弟に拘りすぎるので、だんだん興が冷めてきてしまいました・・・もうちょっと違う膨らませ方はなかったんでしょうか?
- 作者: 中村明日美子
- 出版社/メーカー: 芳文社
- 発売日: 2010/03/29
- メディア: コミック
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- あなたのためならどこまでも
★★★★☆
中村さんの作品は網羅しているわけではないので、他と比べられはしませんが、今まで読んだ数作品とはまるっきり方向性が違ったので、新鮮でした。
あまりに非現実的なお話なので、★は4つにしましたが、おはなしそのものは大変面白かったです。もう、何も考えずに楽しめばいいやって感じの弾けっぷりです。帯に的確なあおりが書いてありました。「ちょー受難BLラブコメ決定版 犯人×刑事ぶらり離島逮捕の旅」です。眼鏡にスーツと、一見真面目でやり手に見える刑事が実は思いっきり抜けていて、犯人に手玉に取られるうちにほだされちゃって・・・作者も「テーマはあほエロです」と言っているほど、あほでエロな展開です。すっかり肩の力を抜きたいときにお勧めだと思います。
【のんのん】シリーズ。ただの仲の良いクラスメイトだった二人が、ちょっとしたきっかけでお互いを意識しだして・・・山田のお気楽さと、石丸の可愛い嫉妬がなんとも楽しいお話です。ついでにウエディングドレスコスもあり、楽しさ倍増。