久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

お花屋さんに救急箱 (プラチナ文庫)

お花屋さんに救急箱 (プラチナ文庫)

  • お花屋さんに救急箱

★★★★☆
「お医者さんにガーベラ」の続編です。全てが弟君のお話なのかと思っていたら、表題作はお兄ちゃんのお話でした。
表題作は、大野木甫先生のお試し恋人・九条くんのところへ、かつてのバンド仲間であり片想いの相手だった冬洲が現れたものだから、“年長者”としてあれこれ思い悩む先生のお話です。
プライドが高く意地っ張りで、超がつくほど真面目で四角四面な先生と、世話を焼くのは大好きだけど焼かれるのには慣れていない久条くんの、ある意味ラブラブなお話でした。相変わらずツンデレで、何につけ先生が可愛いので、つい小柄な人の気分になっちゃうのですが、ホントは結構背が高いんですよね。
「意地っ張りのベーカリー」が先生の弟・コッペパン屋の遥(はる)くんと先生の部下?・理学療法士深谷くんのお話です。兄に過保護極まりなく育てられ、極度の人見知りだった遥が、コッペパン屋を始めたいきさつから、深谷と出会い今に至るまでのお話なのですが、さすが大野木弟、やっぱり意地っ張りでした。そのうえ、深谷に心を開いてからの遥は“おとうと”気質全開で、遠慮が無くなります。結構純情な深谷が、同性の遥を好きだと自覚してオロオロする中、グイグイと引っ張っていくのは遥の方で・・・いやー、食物連鎖の頂点にいるのは遥なんじゃないかと思っちゃうほど俺様(って言うよりヤンチャ?)に変貌。でも、可愛くて一生懸命な人だから、誰にでも愛されちゃいますよね。
「円卓の医師」は遥屋の開店祝いの席でのお話。大好きなお兄ちゃんであり、大好きな恋人である先生を挟んで、弟・遥と恋人・九条が静かなバトルを繰り広げるのです。一番貧乏くじなのは深谷くんでしたってお話。ま、今までもずっとそんな感じなんですけど。
で、今回思ったのが、ドラマCDになるのかな?って。そしたら、遥は是非代永くんにお願いしたい。それも、ブラックな面を一杯前面に出していただくといいんじゃないかと思うのです。可愛いんだけど小悪魔入ってる感じでお願いしたいものです。

レジーデージー (新書館ディアプラス文庫 233)

レジーデージー (新書館ディアプラス文庫 233)

★★★★☆
1998年の作品の新装版です。過去に読んでいるはずなのに、あんまり記憶に残っていなかった・・・題名以外。
不器用でひがみっぽくて見栄っ張りのミステリ作家(の片割れ)・大須賀一夜と、売れっ子俳優・川嶋大志のお話です。こんな背景だと芸能界的な展開を期待しそうですが、舞台は田舎です。片割れの君島に裏切られたと思い、傷心で田舎に引っ越してきた一夜に、地元民の大志がグイグイと入り込んできます。
ワケアリの過去を乗り越えて基本がポジティブな大志と、ネガティブ中のネガティブな一夜のやり取りです。初めのうちはすれ違い、そのうち仕方なく受け入れ、いつの間にか取り込まれ、無くてはならない存在になっていく過程のなかに、大志の弟やいとこ、追っかけの少女、元相棒、嫌味な君島が絡んできて、それでなくてもグルグルしがちな一夜の気持ちをかき回してくれます。
田舎にいるからといってお仕事を放棄しているわけではなく、それぞれのお仕事がらみのエピソードもそれなりにあります。中でも大志が惹かれた、一夜が書いた文を引用している部分はウルっとさせられました。
本当の自分をさらけ出しても好きでいてくれる相手。理想ですよね。

青年14歳 (幻冬舎コミックス漫画文庫 や 2-1)

青年14歳 (幻冬舎コミックス漫画文庫 や 2-1)

  • 青年14歳

★★★★☆
文庫版です。コミックス未収録作品160P超と、描き下ろしが入っていると言うことで購入しました。
前半分は、あとがきで作者も言っているように「怒りんぼ受大集合」のようで、始終バトっています。男だからこそなのでしょうか。それともヒステリー男なだけでしょうか。それでもみんなそれぞれ丸く収まっているので、犬も食わないくらいにラブラブなんでしょうね。
後ろ半分は、おじさんとBL未満の作品(「かなしいからじゃない」は既読感があります。雑誌読んでいたんでしょうか?)なので、どちらかと言えばじっくり感動したい作品です。
描き下ろしでは“じぃL”まで描いていただいて、緩急取り混ぜて楽しませていただきました。