久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

女衒夜話 (クイーンズコミックス)

女衒夜話 (クイーンズコミックス)

  • 女衒夜話

★★★★☆
近所の書店に全く売っていなかったので、ネットでやっと手に入れました。
大戦直後のお話です。主人公は女衒のキリオと、彼を通り過ぎていく女性たちや、ある意味女性以上に深い関係だったバーのマスターで殺し屋でもある裕也です。いつも思うのですが、もんでんさんのお話は、女性が強い。ちゃんと自分を持っていると思います。今回も、たとえ身を売るようになろうとも“持ち崩す”ことはないのです。その反面、男性陣は優しい。女衒だとか殺し屋だとか、やっていることは怖いけれど、どこか甘いところがあるんです。
「アイスエイジ」にたまたま出合って、もんでん作品を読むようになりましたが、どれも人間の体温のような熱さを感じます。今回は哀しいシチュエーションが多い作品でしたが、決して後味は悪くありません。
キリオと裕也という膿を消すためにシロは生まれてきたと裕也は言いましたが、悦子も美都も二人によって生きる希望を見出せたのです。シロのおなかの中にはキリオの子は宿っていないのでしょうか?記憶をなくし子供にかえってしまったシロに、それ以上を求めては酷な気もしますが、美都さんもいることだしそんな展開になってもいいような気もします。また、作者ももうちょっと描きたかったと言っているキリオと裕也のお話も、是非読みたいものです。今回の4話目「穴熊」にはBL的なシーンも出てきますが、どちらかというと精神的に繋がっているからこそのプラトニックさが、よりこの二人の親密さを感じさせてくれるのだと思います。

恋の呪文 (あすかコミックスCL-DX)

恋の呪文 (あすかコミックスCL-DX)

  • 恋の呪文

★★★☆☆
たくみくんシリーズも買っているので、これもシリーズのうちだと思っていたら、オリジナルの単品でした。誤解してすみません。
たまたま出会った二人が、実は思わぬところで繋がっていて、年下攻めで、ワンコでちょっと三角関係で、と王道な展開です。弟は好きになっちゃったけど兄の好きはどうして受け入れられなかったのか?どうしてここまでトラウマのようなものを引きずっちゃったのか?ちょっと説得力が弱めだなとは思いますが、つまらなくは無かったです。
これからオリジナルBLは、ひらがな名義で描くそうです。おおやさんの少女マンガは10年ほど前結構読んでおりました。(最近BLオンリーに近い読書傾向のため、少女マンガは読んでいません。)登場人物がいっぱいで、わいわいがやがやしていて、楽しい作品が多かったと思います。オリジナルBLでもそんな感じのものが読みたいな。そして是非、望田さんとお兄ちゃんのお話をお願いします。

美男の達人 (白泉社花丸文庫)

美男の達人 (白泉社花丸文庫)

  • 美男の達人

★★★★☆
ほとんどが、主人公・瑛士が受講した「美男塾」に一緒に参加しているようなお話です。女性にモテるためのノウハウを教わり、体作りや作法を身につけるための講座なのですが、講師陣が言っていることがとっても理想的。お話を読み進めればそんなに上手くやれる人なんていやしないってこともわかってくるのですが、なぜか講義内容は頷きながら読み進めてしまうという・・・しかも、所々で講師も砕けてくれるので、なかなか楽しいご指導なのです。で、所々で入る瑛士のツッコミがまたおかしい。彼は“女性にもてたい”から受講したのではなく、講師の一人に一目惚れしちゃったから受講したというイレギュラーな人なので、突っ込みの入れ方も鋭いんです。さらに、文句なしのイケメンなのに、25歳で彼女いない歴25年、童貞で少女小説好きという奇妙な背景で、さらに酔っぱらったときがまた最高に美味しいことをしてくださって、もう、かわいくって・・・
そのお相手・心理学担当の夏秋先生は外見と講義する姿勢は惚れ惚れするくらい綺麗できちんとしているのですが、プライベートは・・・ああ、このギャップがたまらない。しかし、このエピソードにたどり着くまでに何度も講義を受けなくてはなりません。面白いからいいんですが・・・
途中、瑛士を好きになってしまった青年まで登場し、どっちの方向に展開するの?と気になりもしましたが、うまい具合にまとまりました。
瑛士に振られた島田君や彼を食っちゃう予定だった塾頭の箭内さんのお話、まみちゃん先生と瑛士の先輩チビデブハゲの国仲のお話も読みたかったなぁ。