久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

美しいこと

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 3月30日の感想
完結していないので、★4つにしたいところなんですが、よかったので、泣けたので、5つにしました。松岡役のたっつん、なんて上手いんだ。ここのところ彼の作品を結構聴いていますが、どちらかといえば甘えんぼ系が上手いのかなと思っていました。しかーし、松岡は決して甘えんぼではない。どちらかといえば辛い部分を明るさで隠せてしまうような大人の男です。女装趣味はあるけれど、決して女っぽいわけでもない。寛末さんにはベタ惚れなので、女々しくなることもあるけれど、グズグズに崩れるわけでもない。そんな松岡が松岡として存在している作品になっています。
寛末役の杉田君もはまり役ではないでしょうか。彼の声は非常に特徴があり、どんな風になっちゃうんだろうと懸念していた部分もあったのですが、取り越し苦労でした。ムダに優しく、優柔不断でそのわりに頑固なところもあり、他人のことを考えているようで自己中な男・寛末そのものでありました。
早く次巻が来ないかな。(予約済み)
 今日の感想
車の中で聴くのはいつものことですが、今日は雨。シチュエーションもバッチリで、感情移入しまくって聴いちゃいました。こちらは前半部分、松岡目線でお話が進みます。彼は女装をしてストレス発散していたわけですから、決して一般的な男性ではないと思うのですが、寛末に助けられ優しさに救われたときから、きっと、ただひたすら一途で優しい男に変わったんだろうなって思いました。松岡がいい人いい人って言うから、寛末がいかにもいい人に思えますが、卑屈で独りよがりで優柔不断な寛末に比べたら、松岡の方がよっぽどいい人だなぁってつくづく思いました。でも、その松岡を作り出したのはきっと寛末なんですよね。女性として気持ちを抑えて寛末と付き合うことによって、客観的にものを見る目が養えたんじゃないかと分析したくなりました。
しかし、運転中にウルウルするのはまずいと思いながら、やっぱりウルウルが止まりませんでした。秘密を抱えた松岡がどんどんほだされていくだけでもキュンとくるのに、正体を明かせば冷たくなるし、松岡の同僚・葉山と付き合っちゃうしの寛末だからかわいそすぎるんですもん。そもそも、たっつんの声が、泣かせるんですよ。ため方がいいのかなぁ?泣き方も叫び方もいいなぁ・・・で、杉田君のもそもそっとした寛末は、イメージとしてはあまりいい男には聞こえないんですが、じゃぁどんなのが寛末に合っているのかと考えてみても、杉田君のがいいんだなぁと変に納得した次第です。「僕に責任はないよ」的ニュアンスの話し方が、大変寛末らしいと思います。
それから、主人公二人だけでなく、寛末の上司・嫌な奴福田役のだいさくくん、健気ながんばりやの葉山さん役の早水さんも適役で彼らがいたからこそ主人公が引き立ったと思いました。

愛しいこと

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 6月12日の感想(二枚まとめての感想でした)
やっと全編通して聴けました。やっぱりよかった〜。まず、とにかく配役がピッタリでした。仕事ができる男である反面、女装をしてストレス発散させているような危うさもあり、はっきりものを言うようでいて基本は優しく、結構モラリストな松岡は、確かにたっつんの当たり役といってもいいと思います。また、真面目で要領が悪く、いい意味で一途、悪い意味で融通が利かない、内に秘めたプライドは高そうなのに表面は思いっきりヘタレの寛末を杉田君が当てると知ったとき、あまりイメージができなかったのですが、まさに寛末さんでした。脇のみなさんも外すことなく適役で、ドラマに入り込むことができました。
松岡が正体を明かすシーンや、寛末にぶちきれるシーン、そこここに泣き所があったのもよかったです。CD聴いて泣くことは滅多にありませんが、これは間違いなく泣けるCDだとおもいます。
また、それぞれのブックレットに「時計」というショートストーリーが書かれていて、寛末の時計に対する松岡の切ない思いや、寛末がそれを見つけてしまったエピソードが読めます。寛末さんがまた変に勘ぐらなくてよかったと思ってしまいました。
 今日の感想(この巻のみ)
こちらは後半部分。寛末目線でお話が進みます。なんやかんやで上手くまとまるのかと思った矢先のリストラ騒ぎ。またまた卑屈になっちゃった寛末は、へんなところで意固地になって・・・気持ちが受け入れられたと浮かれ気分の松岡と、松岡に対する態度を未だに決めかねている寛末といった、アンバランスな関係から、決別、再会、そして別れられない二人と二転三転。ある意味ハッピーエンドなのでめでたしめでたしですが、まだ遠恋だし寛末の仕事は未定だし未来が思いやられるのでした・・・
この巻はほとんど寛末が会社でグルグル、地元に帰ってグルグルと、一人でグルグルしているのですが、彼の強い味方が葉山さんです。葉山さんがいなかったら、まとまるもんもまとまらなかったでしょう。もう、主人公の二人は葉山さんに足を向けて寝られないと思います。葉山様様です。中元歳暮は欠かさず贈るべきだと思います。
そう言いながら、一番印象に残ったのはなぜか吸殻のシーン。乙女だ松岡!前巻の時計事件といい、乙女過ぎるよ松岡。そこにボンヤリ寛末が気付いたからいい方向へ向かっていくわけですが、ツンツンしながらちょろっと可愛いところを見せる松岡がホンッと可愛い。
やっとたどり着いたエッチのシーンは、盛り上がりそうでなかなか盛り上がれず、最後までこの二人の関係を象徴していた気がします。それより、感極まった松岡の号泣が最高でした。
ブックレットのショートショートでやっと、寛末が心から松岡を可愛く思っていることを知ることができましたが。