久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

夏雪 (幻冬舎ルチル文庫)

夏雪 (幻冬舎ルチル文庫)

  • 夏雪

★★★★☆
あれから2年経って、平和な日々を送っていた佑真と秀一にとうとうトラブルが!佑真は将来の目標、保育士になるために、保育施設のバイトも組み入れ、秀一は高3なので受験準備ということになったため、ポムで顔を合わせる機会がめっきり減ってしまいます。そこへもってきて秀一に悔いのない受験をして欲しい佑真は、必要以上に遠慮するし、秀一はすねるだけで言葉に出さないしで関係はギクシャクしてきます。さらに追い討ちのように、佑真にアタックしてくる優しい大人・筒居さんまで現れたものだから、佑真はグルグルしちゃうは秀一は更にすねちゃうはで、さあ大変です。
事あるごとに大人っぽい、老成していると言われている秀一ですが、今回は嫉妬に駆られていますから、無口なのは変わらないものの、結構こどもっぽいところを色々見せてくれます。こどものクセにこどもを思い知らされると不愉快なようです。でも、まだティーンエイジャーなんだから、これくらいでいいと思うよっておばさんは思いました。あんまりためすぎるとキレちゃうしね。
反面、“鈍感”な佑真は筒井さんにはっきり告白されるまで、「優しいいい人」くらいの認識でお付き合いのようなものを始めちゃうし、秀一がヤキモキするのもよくわかるくらい無防備なので、正座させてお説教したくなっちゃう感じでした。
ここで、小さな活躍をしてくれたのは加賀です。以前はお母さんのようなポムの店長水沢が、何かにつけ優しくフォローに回っていましたが、今回は加賀が辛口のアドバイスをくれるのです。お父さんというよりは頼れるアニキ的な存在ですよね。ところでユーマくん、隆世くんとの映画デートは結局行かなかったんですか?そこんところが気になる。ストーリー展開に関しては何の問題もない枝葉のエピソードなんですが・・・
そんなこんながありまして、誤解も解けて大学にも受かって、めでたしめでたしの秀一の卒業式の日のお話が【小春】です。秀一が安易に後輩に譲ってしまった襟章などが、欲しかったとすねる佑真。「初めて抱きしめられたのも、制服を着てる時だった・・・」と卒業した本人よりも感傷的になっている佑真。可愛くてキュンとしました。
本編も番外編もためにためた後のエッチなので、こどもの割りに結構激しいです。秀一は暴走するし、佑真は煽るし。これがまたCDになったら、たっつん大変だろうなぁ。