久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

獣となりても (リンクスロマンス)

獣となりても (リンクスロマンス)

  • 獣となりても

★★★★☆
イリヤ:西の大国・ミランの美貌のサディスト。大いなる野望を抱き皇太子を篭絡し、死んだ人間を“人獣”という兵器としてよみがえらせる開発に携わる特殊化学研究所所長代行にまで昇進。陸軍特殊部隊中尉で人獣部隊を率いる立場になり大きな権力を手に入れたが、戦いで倒れた隣国秦安の皇太子・羽秀を、人獣としてそばに置いてから・・・
羽秀:秦安第六皇太子。瑛蓮とは仲のいい恋人同士。ミランとの戦いで銃撃から瑛蓮を庇い、羽秀は亡くなりミランに連れ去られる。ほかに例のない自我のある優秀な人獣としてよみがえり、イリヤの警護をするとともにベッドの相手もするようになる。
瑛蓮:秦安人の軍医。人獣にされてしまった羽秀を葬るため、変装してミランで羽秀の行方を探している。アーロンと出会い、身体を使ってでも情報を引き出そうとするのだが・・・
アーロン:ミランの貴族出身の軍人。反戦派だが、特殊科学研究班に詳しいことで秘密裏に瑛蓮と会うことになり、瑛蓮を愛するようになる。
イリヤ一人にかき回されてしまった、ミランと秦安の13年間のお話です。イリヤが相当な人非人なので、羽秀が人獣となりイリヤのおもちゃのような存在になるのかな?じゃあ瑛蓮との関係はどうなっちゃうのかな?とあれこれ考えながら読み進めました。前述のように、箇条書きにでもしないと4人の関係がややこしくなりそうなのですが、ハッピーエンドとバッドエンドを一緒に楽しめるお話だったと思います。たしかに、どう考えても八方丸く治めるには、羽秀が思い切った行動をとるしかないのだなぁと思いました。手詰まりのイリヤも人獣から戻れない羽秀もある意味ではハッピーな終わり方だったのでしょうか。
事情があって細切れ読書になってしまい、気持ちの盛り上がりを感じづらかったのが残念です。エッチシーンは結構あるのですが、なんだか辛いことのほうが多くて、エロい気分にはなりませんでした。

慈雨 (幻冬舎ルチル文庫)

慈雨 (幻冬舎ルチル文庫)

  • 慈雨

★★★★☆
CDを先に聴いて、原作を読みました。そうか、有隆が「白雨」より若く感じたのには理由があったんですね。大人の着ぐるみを着たヘタレなんですね。那智には甘えちゃうんだねぇ。
有隆との関係も仕事も順調で、平和な日々を送っていた那智の店に、雑誌への掲載依頼がやってきます。断りきれず掲載されると、忙しくなり余裕がなくなってきてしまい・・・雑誌のカメラマン・羽村は秋波を送ってくるし、有隆との関係もギクシャクするし・・・更には行方不明だった母親が訪ねてきてお金の無心はするし、有隆には見合い話が来るし・・・
CDではどうしてもストーリーを追うだけになりがちですが、やはり小説は背景が細かく描かれていて読んでよかったなと思いました。特に、お店で仕事をしながらあれこれ悩むシーンでは、細かく書かれているからこそ味わえる奥行きがあったと思います。視点としたら那智側にあるわけですが、有隆の見守りながらもジリジリとしている気持ちまで良く伝わってきました。(まぁ、いつもタイミングよく現れ過ぎる有隆ではありますが。)
那智が一人でグルグル悩んではいるものの、有隆はもちろんのこと、佑真と武川も、隆世までも那智を守ろうとしてくれていて、本当に心温まる「家族」だなぁと思いました。我慢して、隠して、諦めてという過去のくり返しではなく、さらけ出して、頼って、甘えても受け入れてくれる人がいることに気付けて良かった良かった。
事務室の防音が悪いから、いちいち佑真や武川に事情が筒抜けっていうのも忘れず入っていて、そこはそれで面白かったです。エッチシーンもCDより具体的で、那智が素直なもんだから、エロエロですね。
CDでも思ったのですが、羽村さんはこのまま通りすがりの人にしてしまうのはもったいないキャラだと思います。何か後日談はあるのでしょうか。
【春陽】は有隆のマンションへの引越しに合わせて、植田さんの下で修行していたころの那智のことを知ることができました。植田さんどんだけいい人なんでしょう。で、こうなるとどう考えても有隆と武川は旦那さん、那智と佑真はお嫁さん同士で仲良しって感じがしますね。

エロティックエゴイスト (カルト・コミックス X-kidsセレクション)

エロティックエゴイスト (カルト・コミックス X-kidsセレクション)

  • エロティックエゴイスト

★★★☆☆
表題作は作業着とスーツ萌え話ですよね。優しい攻とツンデレ受。もう出来上がっているカップルのお話です。
【クールな姫に恋して】【それでも番犬は姫を愛するか】は年下ワンコ×姫(女王?)のお話。冷たくて美しい上司に振り回される助手くん。二人して相手のことばっかり考えて仕事が手につかないという・・・白衣萌えっていうのもありますね。2話目は元カレ登場で姫が悩んじゃうお話。ワンコは偉かった!
【生徒の本分】生徒×教師。進路指導の王道ですね。
【恋の種】高校生同士。演劇がらみのお話。
【強引な恋人】転校生が誤解して・・・強引に・・・っていうお話。
どれも王道なストーリー展開ですが、エロが濃いと思いました。

幾千の夜 第一夜 (ミリオンコミックス  CRAFT SERIES 33)

幾千の夜 第一夜 (ミリオンコミックス CRAFT SERIES 33)

  • 幾千の夜 第一夜

★★★★☆
続くので★4つ。完結したら評価は上がるでしょうか?
厳しい父親と二人暮らしの宙と隣に住む哲弥のお話。
始めはちょっと足りない子なのかな?と思うくらい純粋で子供っぽく頭の悪い宙です。父親は放任のクセに厳しくて、てっちゃんが唯一のよりどころ。
哲弥のほうも、懐いてくる宙を可愛く思っていて・・・
成長し、自分の気持ちが恋心だとわかった哲弥は、酷いことをしたくないからと宙から離れようとします。宙の方は傷つきながらもそれを受け入れるしかなく・・・
宙のことを放っておけないという同級生・リョーちんこと桜井くんの言葉を借りれば「お前意外としっかりしてんのにな」と言えるくらい、宙は精神的に急激に大人になっていると思います。でも、根が純粋なので辛い目にも遭っちゃうという・・・
耐え切れなくなっててっちゃんに電話をする宙も哀しければ、その電話で飛んで帰ってきてしまうてっちゃんも哀しいのです。なぜなら、そのあとにてっちゃんの彼女の存在が明らかになってしまうので・・・
てっちゃんは、また宙を甘やかすだけで、肝心なところで突き放しちゃうんでしょうか?それとも宙を受け入れるんでしょうか?不安になってしまうような終わり方なので、早く続きを読ませていただきたいです。
宙が泣くシーンがいっぱいありますが、笑って過ごせる未来を期待したいです。