久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

藍より甘く (幻冬舎ルチル文庫)

藍より甘く (幻冬舎ルチル文庫)

  • 藍より甘く

★★★★☆
J庭の往復の電車のお供でした。
いつも思うのですが、一穂さんの作品は色が見えますね。今回は表題のとおり様々な青が主でしたが、夜の闇と夕焼けの色も感じられました。
大学に入ってからの3年間片想いをしていた相手に、思わず告白してしまった遥。お話は告白された方の暁行の視点で進みます。将来の結婚まで考えているような彼女がいる暁行は、親友だと思っていた遥に告白され戸惑います。恋愛相手としては考えられないものの、ただ拒絶してしまいたくない暁行は、誰にも相談できない悩みをブログに綴るのです。
その後も大きな変化は無く、バイト先の飲み屋で、遥の実家の藍農家で、友人として付き合っていくのですが・・・大好きだけれど恋愛対象じゃない相手に、どうほだされていくのかがこのお話の読みどころだと思います。読み進めていくと、暁行は基本いい人なんですが、気を使って相手のことを考えるタイプではなく、自分が実際にその立場にならないと実感できない奴なんだなって思いました。実感して納得し一歩進む感じです。その点遥は最初からあきらめている割りに思い切りがいいので、あまり感情に起伏が無い人で、答えを出すのを相手に任せちゃっているずるさも感じますが、遥にとったら受け入れてもらえるか振られるかの二者択一で、曖昧な選択はできないわけですから仕方が無いのかな。157ページに書かれているブログの内容が、遥の好きなところと嫌いなところです。もうこれって、答えが出ちゃっているよね暁行。それなのに、まだグルグルしているんですよ。
そういう意味ではいい迷惑なのが暁行の彼女・真希ちゃん。でも確かに真希ちゃんよりも遥のほうに魅力は感じるなぁ。
2話目「藍より青く」は遥目線の話。遥は遥なりに悩みも多く・・・遥の「何でみんな告白するんでしょう」という問いに答えた飲み屋のオーナー・乾の一言『好きになったのは自分なんだから、かけた梯子は自分で上るか外すかしなきゃ』に、ああなるほどねと思いました。私は外してばっかりだった気がするなぁ。

隅田川心中 (マーブルコミックス)

隅田川心中 (マーブルコミックス)

★★★★☆
途中まで読んでいたのにノリが悪くて積読していた本です。今回は結構入れ込んで読めましたよ。前はなんでノれなかったんだろう?もしかすると、読み込まないと面白さがわかりづらいタイプなのかもしれません。
【あかぎくのうた】昭和の香り漂うお話。哀しい歌はどう作られるかっていう意味でしょうか?作品説明に昭和20〜40年代くらいのイメージと書かれていました。あのね、20年は戦直後40年は高度成長期だから、全然背景は違いますよ。どっちかといえば、20年代のお話とすべきでしょうね。(余計なことですが。)
【なでしこGALAXY】顔が自慢のアイドルが、実は男で同級生だった女優に振り回されるお話。なんとも説明に困るコメディですが、アイドルの方がヘタレで女優の方がオトコマエです。(カバー裏もね。)先日も既に読み終えていて、再読したのですが、前読んだ時より面白かったです。
隅田川心中】【ごまとまぬけと】【三千世界の烏を殺し、】【宮戸川心中】下地が落語なので、言葉遊びの要素が多く入っています。頭が良くて腕が立つ元落語家の熊田と、小器用ではあるもののボキャブラリーが少ないバカという設定の大川が主人公。居場所が無くて喧嘩の日々から、落語と美容の世界に戻って段々落ち着いていく安心感が良かったです。割れ鍋に綴じ蓋カップルですよね。しかし、結局熊田が受なんでしょうか?それもいいけどね。
そういえば、この本の中できちんといたしているのは「あかぎく」だけですね。あとはプラトニックだね。

猫の恋 (MARBLE COMICS)

猫の恋 (MARBLE COMICS)

★★★★☆
老舗の和菓子屋の若旦那と幼馴染みの番頭さんのお話。どっちもどっちで間違いなく両思いだろうに、立場を考えちゃったり思い切りが悪かったり、横槍が入ったりとまったりまったりもどかしくお話は進みます。でも、着物姿の若旦那の憂いを含んだあれこれや、寡黙な番頭が段々と煮詰まってくる様を見ることができるのでそれはそれで良し。
同時収録【エバーシーン】は↑の若旦那に振られた杜さんのお話。オジサン受のお話ですが、受けちゃうおじさんってお母さんぽいよね。女々しいっていう感じじゃないけど、肝要に受け止められちゃうのはお父さんよりお母さんだと思う。お父さんだったら、どんとこい!ってイメージです、私。いや待てよ、そういえば私の周囲のお父さんたち(私の父とか旦那とか)はどんとこいタイプじゃないなぁ。どっちかといえば母や私のほうがどんとこいタイプだ。
どちらも大きな波があったりするお話ではありませんが、ほんわかキュンってして、あたたかい気持ちになれました。

BORDER 境界線2 CD付き特別限定版 (HUG COMICS)

BORDER 境界線2 CD付き特別限定版 (HUG COMICS)

  • BORDER 境界線 2 限定版

★★★★☆
CD付き限定版がある事を知らずにいたので、もう少しで買い損ねるところでした。普通版で我慢しようかと思ったのですが、探してみてよかったよー。
どちらかといえば、BLではなくアクションものの青年漫画ですよね。たまたま主人公たちの一部がゲイってだけで。
今回のお話は珠妃の過去がらみです。昔の不良仲間を救い出し、大ボスを確保する。そんじょそこらのアクションドラマより面白かったですよ。大和も相変わらずいい男で、桔平ちゃんは可愛いし、宗悟はこれから何かがありそうだし。警察側の蒔田さんもまだ悶々としているし。コミハグ休刊だけど、必ず続巻出してくださいね。
CDは以前のお話の分。大和がべ様なのですが、カッコよすぎ。確か1巻目は闇を引きずっている部分が多かったと思うので、かっこいいのはかまわないのですが、宗悟や珠妃に比べて小柄なはずの大和が大きく見える(聴こえる)・・・で、神谷珠妃は軽い!いやいいんですよ、1巻目のお話だから。もし、今度のお話をCD化するとしたら、色んな神谷君が見られるのかなって期待大です。