- 作者: 夜光花,海老原由里
- 出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス
- 発売日: 2008/09
- メディア: 単行本
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- リアルライフゲーム
★★★★☆
簡単に言えば、おぼっちゃん育ちの幼馴染み4人が集って、人生ゲーム実現版をやるお話です。止まったマスの指示に従い実際に大金を使ったり、婚約破棄をしたり、隣の席の人とセックスをしたり・・・こう書くと、あまりに非現実的なので、そんなのありえないでしょうと思いたくなりますが、4人のワケアリの背景やお話の組み立てかたがうまいので、それならありえるかもしれないと思わせちゃう展開になっています。ゲームを始めるきっかけ、続けなくてはならなくなる理由、すべてに必然性があるのです。4人ということでわかるように、2カップルいるわけですが、同じぼっちゃん育ちでもみんな違うところがニクイではないですか。ゲームの途中では、人格崩壊とか友情の破綻とか、マイナスの方向へ行ってしまうのではないかと思っちゃうくらいギクシャクする場面もあり、ハラハラさせられたりもしました。赤ゾーンに入ってからは、怒濤のようなエロシーンの展開に・・・挙句の果ては4Pですから・・・
最終的になんだか丸く収まって、ちょっと拍子抜けした感じも無きにしも非ずでしたが、悲惨な状態になって終わるよりはずっといいですよね。2段組250ページというボリュームですが、グイグイと引き込まれていくお話でした。
ちなみに、イラストでヒロが黒、平良が薄茶の髪の色なのですが、私のイメージではどちらかといえばヒロの方が茶髪、平良は黒の短髪でした。あくまで好みの問題ですが。
- 作者: 中原一也,楠本弘樹
- 出版社/メーカー: オークラ出版
- 発売日: 2009/07/23
- メディア: 文庫
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- A・KI・RA〜路地裏の迷い猫〜
★★★★☆
施設を逃げ出し身体を売りながら生きてきた明良を保護したフリーライターの葛城。正義感溢れ、モラルをはずれまいとする葛城と、温かい家庭を知らない明良のアパート生活が始まります。ソープ嬢美紅をはじめとする個性溢れるアパートの住人たち、葛城の取材を妨害しようとする男たち、2話目では葛城の兄の子・友喜が絡まって、守り守られるだけの関係から、どうにも我慢ができなくなる状況に発展していくのです。
明良が魔性なのはともかくとして、葛城が明良への気持ちをどうにか踏みとどまらせようと足掻く様がなかなかいじましいところです。なんとかいい人でいようとするオジサン。明良が成長するまで我慢すると言い出したときには、却って呆れそうになってしまいましたが、やっぱり我慢が効きませんでしたね。
2話目の友喜とのお話では、明良が結構子供化していて大人気ない気もするのですが、一旦子供時代をやり直しながら周りの人との人間関係を築いていくのが、正しい成長のさせ方なのかなとも思いました。
また、お話の中で時々語られる、今の世の中への苦言もなかなかよかったです。天下りの問題、老老介護や補助金の問題、家庭崩壊の問題、心から発する言葉の持つ意味など、そのへんのモラルの無い人に読ませてあげたいくらいです。