久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

白雨

白雨

  • 白雨

★★★★☆
小説を読んだばっかりで聴いたときは、はっきり言っていまひとつだったんです。それなりのページ数のあるお話が1枚にまとめられていますから、ダイジェストっぽく感じちゃったんでしょうね。しかし、久しぶりに聴いてみたらこれはこれで結構良かったです。
高校3年生の夏休みと8年後の再会のお話です。全く別の立場にいながら似たような境遇の二人、加賀と水沢。周囲にトゲトゲしたオーラを撒き散らしている18歳の加賀(CV.谷山紀章)と、自分だけではどうにもならない事実を受け入れるしかない水沢(CV.武内健)。惹かれあい求め合い、愛し合っていたのに別れるしかなかった18歳の二人の悲恋が夕立(白雨)を背景に展開します。
きーやん演じる18歳の加賀は、しっかり俺様で大人のつもりになっていて、でも誰かに甘えたい弱さもある、若さゆえの脆さを感じさせてくれます。そして、26歳の加賀は、雰囲気こそ冷たそうなのに、きちんと分別のある大人になっているのです。ああ、水沢と別れてから、きっと色々な経験を積んできたんだろうなと思わせてくれるくらいに、憂いのある紳士になっているのです。逆に武内くんの水沢は、はじめから大人です。分別もあり冷静でもあるのにそこは18歳、加賀との関係にズルズルと引きずられていくか弱さも感じさせてくれるのです。大人になってからは加賀の息子という気になる存在に悩んだりもしますが、かえって自立している分ドキドキしながらも余裕がある感じに見えます。
ブックレットのショートショートはその後の二人。親子3人?仲良く暮らすんだろうなぁ。

淡雪

淡雪

  • 淡雪

★★★★☆
↑のリンク作品です。水沢の経営するタルトのお店でバイトをしている高校生の武川と佑真のお話。↑の二人が再会する前のエピソードです。
無愛想な後輩・武川(CV.羽多野渉)と明るく元気だけれどどこか陰のある佑真(CV.鈴木達央)。雪の降る季節の中で、佑真の父親の病気の進行とともにお話が進みます。
ここで重要なのが渉くん演じる武川がどこまで行っても淡々としていて、寡黙で無愛想だということ。だからこそ発する一言が重いのです。そしてさらにすごいのがたっつん演じる佑真。どちらかといえば元気だったり明るかったり考えなしだったりこずるかったりするイケメンが似合っている感じのたっつんですが、明るく振舞おうとしているけれど、小さくて陰がある寂しい少年もすごかったです。苦笑いをしているような無理した明るさが良く出ていました。それから、こちらではお母さん的存在の水沢さん(CV.武内健)。若い二人のキューピッドですが、いつもいつもグッドタイミングで登場するので、ちょっとおかしい印象も・・・
ブックレットのショートショートは春休みの水族館デート。することしちゃってるくせに、初めてのデートだから初々しいこと!