久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

そこに座るな (ビーボーイコミックス)

そこに座るな (ビーボーイコミックス)

  • そこに座るな

★★★★★
おまけで★5つ。今までの麻生作品の中で一番面白かったです。
突然、ルームシェアしていた恋人・牧と入れ替わって同居することになった、後輩と名乗る男・浪川。はじめから別れることを前提に付き合っていたためか、取り乱すでもなく淡々としている葉山。引っ越してくる際に運び込んだ白いソファを中心に二人の同居が始まります。
牧に好かれたいがために自分を抑え、我慢を繰り返してきたらしい葉山は、浪川に対しては遠慮の無い態度をとり、居心地良さそうにソファに座るのです。少しずつ牧との辛い関係を話し出す葉山とそれを黙って聞く浪川。このお話の面白いところの一つは、浪川が黙って傾聴しながらも、頭の中ではグルグルといろいろなことを考えているのだということが、全てセリフで読めるところだと思います。だから浪川がどんどんほだされていく様子がよくわかります。慰めが高じて抱きしめてキスしてしまってから、今度はギクシャクしだすのですが、浪川が考えるだけでなく行動に移すのでした。
浪川に対しては遠慮の無い態度の葉山ですが、基本的に健気で臆病で後ろ向きなので、少しずつ心の中を吐露する葉山が涙するシーンでは、私も涙を誘われました。
お仕事もきちんとし、周囲の友人たちもいい感じで絡んでくれて、広がりがありながら、リビングの窓辺のソファというアイテムがポイントを押さえていて、いい感じに締まっています。
牧さんが思いっきり悪役なのですが、本編においてもいまひとつ憎めないなぁと思っていたら、番外編で裏事情がわかりました。何股もかけるのはいいことだとは思えませんが、なんだかやっぱり憎めなかった。
同時収録【ふれるちかさで】は幼馴染みが高校生になって・・・のお話。
興味半分でキスをしてから、ずっと冗談半分で付き合っていると対外的に言い続けてきた二人。実はただの親友のままで・・・片方は過剰なスキンシップで迫り、片方は本気で好きだからこそ、そのスキンシップですら負担に感じ・・・クラスメイトの微妙な後押しもあり、どうにか想いを通じさせることができた二人です。やれやれ、お幸せに。

ネコいりませんか? (GUSH COMICS)

ネコいりませんか? (GUSH COMICS)

  • ネコいりませんか?

★★★★☆
猫が人間化するお話は色々ありますが、その設定がなかなか面白かったです。さらに、言葉の魔術を利用したせりふの言い回しに笑わせていただきました。
しかし、お話としては意外とシリアスで、辛い事情を猫によって癒されるというシチュエーション。ツバキちゃん、長生きにゃんこになれてよかったですね。笑ったりウルウルしたりまた笑ったり、癒されました。
【ネコどうですか?】は、長生きニャンコになりたかったのにご主人様に捨てられたボタンが主人公。こちらの方が大人っぽいお話で、展開も複雑です。表題作は人間の辛さを猫が癒していましたが、こっちは猫の辛さを人間が癒しております。人間に見えていた猫が猫にしか見えなくなって・・・長生きニャンコになるのはそう遠い話ではないでしょうね、ボタン。
どちらもキス止まりのかわいいおはなしで、描き下ろしの番外編でもしやと思ったのですが、未遂で終わりました。一向にかまいません、可愛いから許す。
他に、弟の家庭教師に来たのは思いを残したまま卒業していった先輩で・・・計算高いのは先輩の方でしたっていうお話と、ちょっと変わった二人が運命の出会いをしちゃったお話、親の再婚で兄弟になった二人のお話(間違いなくエッチシーンと言えるものが入っているのはこれだけ。)の3本が同時収録です。
カバー裏あとがきに、ネコシリーズはまだあると書かれておりました。是非読みたいので続きよろしく!