久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

ポチとタマ (B‐PRINCE文庫)

ポチとタマ (B‐PRINCE文庫)

  • ポチとタマ

★★★★★
付き合って6年目、同棲を始めたカップルの日常のお話。約2年弱のお話が、計22話のショートショートで構成されているので、大変読みやすくなっています。先日出たコミックスでは、ワンコ系の攻・ポチ(修司)とニャンコ系の受・タマ(太一)の心のかたちが犬や猫で表されていて大変可愛かったですが、こちらは口絵のみで挿絵はありません。なので黒犬ポチと白猫タマには会えませんし、犬っぽいとか猫っぽいとかいう表現が度々出てくるわけではないので、逆に私は彼らの人間らしい葛藤を楽しむことができました。
彼らの馴れ初めにまつわるトラブルや、プロポーズまでのいきさつ、何のこと無い日常における悩みや、年中行事のエピソード・・・二人が付き合うきっかけを作った筧さん(ポチの会社の先輩)、タマの友人で傍若無人なイギリス人・マイク、タマの友人・酔ったらすごい真理子さんといった、クセがあるのに憎めない三人と、ポチの妹・加奈ちゃんが二人の味方です。
お互いのことを必要とし、お互いのためになにかをしたいと思い、支えあって暮らしている二人はアマアマなのですが、その影には我慢をしたり(主にポチ)、自分の行動に疑問を抱いたり(主にタマ)、周囲の理解が得られなかったりと紆余曲折もあるわけです。それぞれが小さな出来事をきっかけに描かれていて、温かい気持ちになったりホロリとしたり、ちょっと考えさせられたり、だたのバカップルで終わっていないのがこのお話のいいところではないでしょうか?最終的に、30年後のお話まで書かれています。
ちょっと振り返ってみると、タマが「幸せ?」と問うシーンが度々出てきます。ポチは必ず「幸せだよ」と答えます。あなたと一緒にいられることこそが幸せなんだと、即答できる幸せ。理想的ないいカップルだと思います。
例えば結婚生活に行き詰まっててしまったり、相手への不満ばかりが爆発しそうになったとき、これを読んだらちょっと反省できるのかなと思いました。

トリコになりました (ビーボーイコミックス)

トリコになりました (ビーボーイコミックス)

  • トリコになりました

★★★★☆
表題作はハーフの古典教師と古典だけが苦手な高校生・黒田くんのお話。これだけだと、よくあるお話になりそうなのですが、ここに、自分は応援しているつもりで邪魔にしかなっていない八木下くんが絡んでくるので、なかなかおかしなお話になっております。二人とも結構シャイなので、八木下くんがいなかったら一歩踏み出すのが相当遅くなっていたでしょうねぇ。
【きみと犬とさんぽ】は、子犬を拾ったのがきっかけではじまった二人のお話。なんと言えばいいのやら、天然で純情で、だけどしっかりしている坊ちゃんたちでした。かわいい。
【眼鏡にアイを】眼鏡フェチの男と、彼とつるんでいる同級生(眼鏡)のお話。舞台は大学の映画同好会で、周囲に結構女の子がいるのになぜか二人でいることが多い彼ら。王道な展開にちょっとひねりを効かせてあって結構好きなお話です。
他、どれも学生もので、純情でせつないくて可愛い展開です。ほとんどがキス止まり、それで十分納得のいくお話でした。こういう学生ものなら大好きなんだけどなぁ。