久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

富士見二丁目交響楽団 1 寒冷前線コンダクター

富士見二丁目交響楽団 1 寒冷前線コンダクター

★★★★☆
富士見二丁目交響楽団シリーズ、マガジン・マガジン発行の第1作です。当初はジュネの通販で購入するしかなかったのですが、現在はもっと入手しやすくなっているようです。通販特典として、プログラムとチケットが付いていました。プログラムは全楽団員のイラスト付きプロフィールがかかれていて、圧巻です。
Disk.1の内容は小説そのままという感じ。フジミに桐ノ院がやってきてから、悠季が退団騒ぎをして、押し倒されちゃって、感じちゃった自分が許せなくなって、川島さんに背中を押され、なんとなく納得しちゃう?までのお話です。
悠季のモノローグ形式で、彼が一人悶々としていることが多いので、はじめのうちは置鮎さんが一人で頑張っていらっしゃいます。そのうちに桐ノ院が動き始めて、独りよがりな行動に出てからは、悠季が振り回される側になっていくわけですが、いやー、やっぱり桐ノ院ってちょっとおかしいや。(それは増谷さんがおかしいからでしょうか?)
悠季の気が強そうで打たれ弱いところや、桐ノ院の“言葉で表現することが下手”なところ、川島さん(CV.勝生さん)の姉御肌なところ、石田さん(CV.梅津さん)のいいおじさんなところ、なども聴き所でしょうか。ま、もちろんのことですが、なんといっても初めてなのに(強姦されちゃっているのに)感じちゃった悠季とか、桐ノ院の「ふんっ」もニヤニヤしながら聴きたいところです。そうそう、肝心なクラッシック曲もいい感じに入っております。家の、タンホイザーもバッチシでございます。スターップ!!ってね。
Disk.2はたっぷり71分間(本編より長いという…)のフリートーク版(現在簡単に入手できるものに付いているのかはわかりません)。置鮎さん、増谷さんと音響監督の岩浪さん、ジュネ編集長の佐川さんという顔ぶれでお話しています。声優になった動機などからはじまり、デスラーの物真似をする増谷さん、過去のホモ体験などのQ&A、さらには小説「リサイタル狂想曲」の朗読劇(朝のキッチンで立ちバック…)、それを逆キャラバージョンで、おまけに「銀のレクイエム」のCD上オーディション?までしてくださって・・・設定をあとから知って悔しがる増谷さんとかetc.1995年の収録ですから、現状を知っている身とするとちょっと笑っちゃったり。ダミーヘッド録音なのでヘッドホン推奨です。
今、レビューを書きに行ったら1995年の作品はアップされていなかった・・・古すぎ?掲載依頼をしてきました。

ドアをノックするのは誰?

ドアをノックするのは誰?

  • ドアをノックするのは誰?

★★★★☆
平川ボイスを堪能できる作品です。
高校生の時に両親を亡くし、双子の弟妹を一人で育ててきたものの、彼らが自立し生き甲斐をなくしてしまった頼久と、自他共に認める博愛主義・享楽主義者の甲田のお話。
社会人講座の講師だった甲田が受講生だった頼久に交際の申し込みをしたことからお話が始まります。生き甲斐をなくして気落ち気味だった頼久は先生の世話ができることを喜び、恋愛感情など持っていないのに身体の関係込みのお付き合いを受け入れます。一々真面目で気が利き、家事全般も難なくこなす頼久はまるでロボットのよう。挙句の果てにエッチの条件まで箇条書きで提出してくる始末。甲田の悪友根本には“尻に敷かれた結婚生活”とからかわれるほど。それでも気丈な未亡人のような頼久にメロメロの甲田だったのですが、頼久の後輩・冨永が現れてかき回されることに・・・頼久の方も、妹の結婚や弟の内縁の妻のことなど、手を離れてしまった二人のことで心の傷が一層深まるのです。冨永では癒されない、先生でなくてはダメだとやっと気付く恋心。ロボットのようだった頼久が、血の通った人間に変わっていきます。
で、どの辺が面白いかといえば、初めの頃の頼久がエッチも含めすべて事務的にこなしていこうとする姿と、その後の変化が楽しいところでしょうか。本性がわからないくらい色々な顔を見せてくれます。天使のように優しくもあり、冷たく切り捨てるところは悪魔のようでもあり、弥勒菩薩にも鞭を振るう女王にもなってくれるらしいし。その変化をしゃべり分けているのが平川くんです。一番に言えることは、頼久は結構嫉妬深くて魔性だということ。
甲田は成田さんですが、積極的で甘い言葉を並べ立て、私に言わせれば歯が浮くような気障男なのですが、それがぴったりはまっております。
根本(CV.大典さん)は渋いし、弟のあっちゃん(CV.寺島くん)も後輩の冨永くん(CV.野島くん)もみんなかっこよくてうれしいし、女性のキャラもみんないいポジションを取ってくれています。なかでも甲田の元カノ・亜由美ちゃん(土谷麻貴さん)はグッジョブです。
ただし、ビジュアルに関しての細かい解説はそれ程入っていないので、頼久が凄い美形だということはそれ程アピールされていません。それでも一向にかまわないと思いますが。
ちなみに私は、原作の小説は未読です。買ってはあるんですが・・・