久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

征服者は貴公子に跪く (ディアプラス文庫)

征服者は貴公子に跪く (ディアプラス文庫)

  • 征服者は貴公子に跪く

★★★★☆
舞台はドイツ。諸事情から代々守ってきた城を売却せざるをえなくなった若き現当主・パウルとホテルにするために買い受けることになった日本人ホテル王の長男・牟田のもどかしくも心温まるお話。
度重なる不幸で城も使用人も手放さなくてはならなくなったパウルに、「あなたも込みで買った」のだから、城に居続けるようにと言ってきた牟田。かたや、できる限り原状のまま城や森をを守っていきたいパウルたちと、かたや、日本人好みのメルヘンチックな王子様のいるお城を売りにしたホテルにしたい牟田たちと、当初はビジネスライクで、対立が懸念されるようなギクシャクした関係から始まりました。しかし、パウルは苦労人だったからか、分をわきまえ、自制した行動がとれる若者だったし、意外にも牟田が大変紳士的で、聞く耳を持ち、話し合う余地がある男だったので、ホテル開設のための準備期間を過ごした数ヶ月がほのぼのと温かく過ぎるのです。
使用人たちとの関係、周囲の森の出来事、クリスマス関連のエピソード、お披露目パーティーと許嫁の一件、クライマックスのパウルの遭難。ほんのりとした温かい気持ちや、恋愛にまでは行き着いていなそうなハッキリしない気持ちだけが伝わってくるようなゆっくりとした展開のまま表題作は終了。書き下ろしにおいてやっとはっきりと主張し合えたのかと思ったら、牟田が帰国するハメに・・・まさかそこでパウルが、過去のトラウマをねじ伏せてまで後を追ってしまうとは思いませんでしたが、そこここに張られていた伏線が解消されたのでスッキリいたしました。素敵なお城で末永くお幸せにといったところです。
しかし、題名はいつきさんご自身が付けられたのでしょうか?昨今こういう“○○は××に△△く”といった言い回しの題名が多すぎませんか?そもそも、牟田は征服者とは思えないんですけれど・・・他にいい題名はなかったんでしょうか?

天離る (ビーボーイコミックス)

天離る (ビーボーイコミックス)

  • 天離る

★★★★☆
半分が義経、あと半分がその兄・頼朝のお話です。
義経の方は、焦がれてやまなかった兄・頼朝に抱かれ、戦果を挙げながらも空回りしているような義経と、それを包み込もうとする弁慶の苦悩、哀しい結末が描かれています。
頼朝の方は、側仕えの景清が主人公のお話です。始めは頼朝の陽の部分に惹かれ、果ては陰の部分まで知りながらも、身も心も捧げる景清の哀しい愛が描かれています。
どちらも健気な美青年が主人公ですが、一番印象的なのは相当ひねくれていそうな頼朝さんでした。あなた日頃の鬱憤をそんなところで晴らしちゃダメでしょっていう感じ。で、贅沢を言えば弁慶さんにもう少しがんばって欲しかった。ストイックの極みでしたからね。

  • バニラ・スター

★★★★☆
宮本さんの作品には、結構頻繁に身体を売る子が出てきますが、今回の主人公も売り専の子・ユウです。お話を読み進めるにしたがって、そうなっちゃったのも事情があったのねということがわかるので、仕方がないかとは思うんですが、やっぱり身体を売る話は好きじゃない。しかしそれでも、なぜ★が4つ付いたかといえば、相方のタケシが軽そうな割りにいい奴だったからです。ユウは美人だけれど短慮で流されやすく、はっきり言ってバカなので、タケシのいい人ぶりを堪能すればいいんだと思いました。オタク入っていて、スケベだけれどまるっきり一般人ってところが魅力の一つだとおもいます。しかし、過去の人・ケンちゃんもただのいい人ですか?ユウは魔性なのね?描き下ろしはユウの可愛い嫉妬。タケシばかりが好き好きビームを出していたのかと思っていましたが、なんだ、ユウだってメロメロなんじゃん。

SWEET (ディアプラス・コミックス)

SWEET (ディアプラス・コミックス)

  • SWEET

★★★★☆
ちるちるで評価が高かったので読んでみました。井ノ本さんは初読みです。
エロエロエロエロ・・・・・・でした。それもほとんど学生。いいのかそれでと思いながら、お話の組み立ては、思わせぶりだったり、駆け引きしてみたり、とまどったり、誘惑したりされたり、鬼畜だったり、そこでやるか!?だったり・・・となかなか楽しい展開だったし、だた“やってるだけ”ではないところがよかったです。
で、エロの件ですが、久しぶりに見ました透視的エロシーン。最近私が読んでる作品には、こういった技法で描かれている作品が少ないもので・・・。何で最近見かけないんだろう?アンソロ本を読まないからか?