久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

小説 Chara ( キャラ ) 2009年 07月号 [雑誌]

小説 Chara ( キャラ ) 2009年 07月号 [雑誌]

★★★★☆
基本的には個人主義で孤独を好むものの、外見が良く、仕事もできる男・森里が、ある日30円で宿無し男・敷島を押し売りされちゃって、同居しだしたものだからそれまでの生活が一変し・・・
始めのうちは、引きこもり気味な美青年がワイルドなオッサンに変えられていく、よくあるタイプのお話なのかと思っていました。ところがやけに森里が不調を訴えるのです。ここがよくあるお話と違うところ。彼の出自が明らかになったとき、お話は急展開します。普通の世界のお話だと思っていたものが、SFになってきちゃいました。森里はクローン人間で、敷島は開発チームの一員なんだそうで・・・短期間にムリヤリ詰め込まれた知識と、あるはずのない昔の記憶、新しく抱く興味や恋心、絶えられないほどの頭痛と体調不良。なかなか完成しなかったパズルの解き方がどうにか見出せた感じの展開になりました。敷島はクローン人間開発に疑問を感じ、社会に送り出された森里を抹殺するために彼に近づいたということなのですが、計画は遂行されないまま、森里にほだされていきます。職場では年齢以上に大人びている森里ですが、敷島の前では無防備なほどに子供っぽくて可愛いのだから、これは当たり前かと思います。で、これからの二人は愛の逃避行に・・・なのですが、お話がそこで終わっているので、「まずいことに首を突っ込んでいる」感覚があまりないまま終わってしまいました。続編でフォローする予定があるのでしょうか?

  • あの夏、きみと歩いた海
  • ゆっくり恋をしよう     葉芝真己

ちるちるにレビューを書こうかなと思い、読み返してみました。この本たち、もう絶版なんですね。これ自体がリバイバルコミックスなので、収録されている作品で一番古いのは1988年のもの、一番新しいのでも1996年ですからね。
なので、昔懐かしい雰囲気漂うちょっと切ない作品のオンパレードです。半分くらいはBLじゃないし。どこが懐かしいって、携帯持ってればノープロブレムなシチュエーションが結構出てくるところでしょうか。最近はもどかしくて切ない感じを携帯が奪っちゃった気がしますね。
本当は、「幸せはこんなカタチでやってくる」か「長距離恋愛の孤独」を読み返したかったんですが、発掘できませんでした。私はこの2作品の方が好きだった記憶があるんです。