久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

残酷な指が狂わせる (ガッシュ文庫)

残酷な指が狂わせる (ガッシュ文庫)

  • 残酷な指が狂わせる

★★★☆☆
あのね、あんまりこういう評価はしたくないんですが、私がお話から受けるイメージとイラストが全く合わなくって困ったので、評価がちょっと下がりました。ストーリーとしても、思わせぶりで引っ張っているのがメインだったので、物足りなさを感じました。★2つにするほどつまらなくはなかったのですが、もうちょっと何とかしてほしかったです。
高校のバレー部でセッターとアタッカーの関係で、ほんの短い間恋人同士でもあった南と神崎が、社会人になって再び出合ったことからはじまるお話です。一旦別れたあとに神崎が大好きだったことに気づき、その後恋しい気持ちを引きずったまま生きてきた南と、タラシの浮名が流れるほどに男女問わず付き合ってきた神崎が、それぞれの仕事の関係で共同の仕事をすることになります。夢にまで見た神崎に会えて浮き足立っている南と、なにかにつけ冷たい態度をとり他の人との関係を匂わす神崎。仕事だけではなくプライベートな付き合いもしたい南は、食事であったり映画であったり、誘い誘われるままに神崎と行動します。他の男と親密な関係を見せられたりするうちに、南らしからぬ積極的な行動に出て、神崎に「抱いてほしい」と縋るのでした。
結局のところ神崎の一番大事は昔から変わらず南であって、何のこと無いハッピーエンドなのですが、とにかく南が捨て身なので本当に「なんでも」しちゃいます。(2話目では、神崎に奉仕をしたい一心で、フェラのレクチャーを受けに行っちゃうくらいだし。)エロ重視のお話なんだと思うので、そういう展開もありなのかもしれませんが、洸さんはお仕事などにおいても厚みのあるお話を書ける方なので、神崎の冷たい行動にももうひとつ説得力が欲しかったです。
イラストの話に戻りますが、私としてはまず神崎は「綺麗という設定だけれど、ホスト的な綺麗さではなくて武士的な凛々しさ」を追求してほしかったのです。元バレー部のエースで現在はエリート商社マン、南よりも体格がいいということは、ホストのような優男では満足できません。南のほうも現在バレーを続けていて、仕事も出来る男なわけですから、いくら行動が女々しくても外見は凛々しくあってほしかったのです。あと、背広にあの髪型もいただけない・・・

課外授業 (ドラコミックス 201)

課外授業 (ドラコミックス 201)

  • 課外授業

★★★☆☆
5年前、生徒だった津田と関係を持ってしまった高校教師の朝倉は、自分から誘って(襲い受け状態)始めたものの、津田の将来への言動に不安を感じ逃げ出します。しかし、その津田が教師となって朝倉の高校にやってきた為に・・・
高校の頃から朝倉に過剰な執着を見せていた津田は、復讐をするかのように朝倉を追い込んでいきます。津田に対する後ろめたさと嫌って別れたのではない複雑な気持ちのまま、朝倉は津田の支配下に置かれていくのでした。
もともと朝倉が抱えている闇やホモなのがリークされ教師を辞職するハメになったことなどを織り込みながら、どんどん深みにはまっていく二人の姿が描かれます。
津田はただひたすら偏執的な朝倉マニアで、朝倉はそのきっかけであり被害者でもあります。(朝倉の過去は多少書かれておりますが、津田の背景は情報不足気味で、津田がおかしいのが朝倉のせいだけなのかもともとおかしいのかはわかりません)
歪んだ愛情で結ばれた二人の行く末が気になりますが、他人に迷惑をかけないのならそんな愛もありじゃないかと思います。