久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

テレビくんの気持ち (バーズコミックス ルチルコレクション)

テレビくんの気持ち (バーズコミックス ルチルコレクション)

  • テレビくんの気持ち

★★★★☆
カップル+1カップル未満のラブラブでアマアマでちょっと悩んでなお話の寄せ集め。2話+1話で一つのお話になっています。少しずつリンクもしています。
一組目は、売れっ子俳優・蒼太と大学生・圭輔。幼馴染の二人はそもそも取っても仲がいいのですが、ある日蒼太が「キスしてもいい?」と相談を持ちかけてきます。お芝居の練習だと思い気軽に引き受けちゃった割には、なんだかドキドキしちゃっている圭輔と、本当の気持ちを言い出せないで行動ばかりが先走る蒼太。言葉のやり取りが「普通の会話」で、照れてはいるけれどそれほど熱くならず、さらっとかわしながらも気にかけている二人。うん、幼馴染だとこういう展開になりそうだよね、かわいいかわいい。
二組目は、アイドル・渉とマネージャー・うっちー。うっちーはどちらかといえばソバカス眼鏡のブサカワ系です。最初から渉がうっちー大好きなので、遠まわしにラブをアピールしてくるのですが、はっきり言ってくれないからうっちーもいまひとつ自信がなくて・・・。お互いに鎌のかけ合いしています。渉がうっちーにわざわざファンレターを読ませるのは、代償行為ですよね。二話目でお返しとばかりに、うっちーは思いっきり思わせぶるし。最後のやり取りがまたいいですね。
三組目は、コンビニ店長・村山と本社社員・須藤。20才だけど強面で、元ヤンだけど人がよくて、結構親孝行な村山は、クソ真面目な須藤にコンビニ経営のノウハウを厳しく叩き込まれながらも須藤の気を引きたいと思っています。一番大人っぽいカップルなのに、一話目でキスすらしないもどかしさ。ゲイだと自覚している須藤は、いいひと・村山に既に惚れちゃっていて・・・二話目に入ったら怒濤の展開、大人同士でしたよ。
その後のお話が「+1話」の部分ですが、誕生日の可愛い遊園地デートのお話と、温泉旅館で痴話げんかと、魔性のオトコ須藤さんのお話。さらに村上関係の二人がおまけのカップルの描き下ろし。
全体的にそんなにエロいシーンは多くないのですが、エロい感じがするのです。キスするだけで思いっきり真っ赤になったり(これ、とっても多い。でもいやじゃない。)、膝枕してあげるだけで緊張したり、あとはちょっとした台詞回しがそそるのかなと思います。で、私はやっぱり村上×須藤カップルが一番好きです。

異母兄(あに)のいる庭 (クロスノベルス)

異母兄(あに)のいる庭 (クロスノベルス)

  • 異母兄のいる庭

★★★☆☆
なんだか読み応えがあったのですが、いまひとつ入れ込みきれなかったので★3つになりました。
母を亡くした志乃は、本妻と異母兄のいる父の家に引き取られるのですが、兄に陵辱される日々が続きます。小さい頃の優しかった兄の記憶と、冷たい家庭の中のただ一つの温かさである兄に抱かれるときであるからか、志乃は兄に恋情を抱くようになります。父(政治家)や兄の立場を考えると、面倒を見てもらっているだけで十分で、できるだけ迷惑をかけないようにしなくてはと思いながら、つましく日々を過ごしている志乃なのですが、兄の大学進学、父の選挙や不正疑惑、友人・佐々木との関係などが絡んできて、その度心を悩ませ、兄には陵辱される始末。
確かにほだされちゃっているので、いやよいやよと言いながらも兄に抱かれてしまうのは、仕方の無いことだと思うのですが、お互いに思いあっているのは間違いないというのは読者として分かっていながらも、とにかく二人の意思の疎通があまり無いので、兄は鬼畜にしか見えないし、志乃は自分がなさすぎると思いました。この辺では少しキュンとしてもいいのかもしれないとか、本来ならば涙するところなんじゃないかとか思いながらも、どうにも入れ込めなかったのです。唯一、佐々木との京都旅行の顛末だけは、「このまま佐々木に乗り換えちゃいなよ」とちょっと心が動きましたが、それで終わってしまいました。
陵辱をメインにするのか、兄弟愛をメインにするのかどちらかにすればよかったのになと思いました。