久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

メランコリック・リビドー (幻冬舎ルチル文庫)

メランコリック・リビドー (幻冬舎ルチル文庫)

  • メランコリック・リビドー

★★★★★
もどかしい、もどかしいけど“子供の”恋ってこんなぐるぐる感があると思います。二人の気持ちは同じ方向を向いているようなのに、どうにかまとまるまであまりに長いので、★4つ止まりにしようかなと思ったのですが、その分ずっとキュンキュンできたし、結局最後は泣かせていただいたし、何よりあの春巳君のお話(センチメンタル・セクスアリス)の裏にこんなものが隠れていたのねという、名誉挽回作になっていたと思うので、5つにすることにしました。
亡くなった兄の恋人だったカメラマン・日和佐と9歳年下の大学生・千夏史のおはなしです。「子供は嫌い」と言い切る日和佐に大人になったら認めてもらえると思っていた千夏史。初めて会った9歳の頃から、日和佐に恋をしていた千夏史は長い間同等に扱ってもらえていないと思いながらも側を離れることをせず、あれこれコンプレックスを抱えながら、大人として認められることを待ち望んでいたのですが・・・
千夏史の幼いけれど一途な恋。日和佐のあまりにも博愛的なセックスライフとその裏に隠された“子供のような”傷つきやすい心。由多夏(兄)の二面性のある行動の理由。そんなお話を読みながら、みんながみんな大人のように見えて、子供なんだね、その子供の心を大切にしなければいけないんだね、としみじみ感じました。幼く傷つきやすいからこそ、お話の端々でキュンキュンさせてもらったし、最終的にパズルのピースがピッタリとはまった感じになった時は、それまでの灰色な部分も解消されて、「よかったね」と泣かせてもらいました。脇役の面々もしっかりとそれぞれの役割を持っているし、小さな小さなエピソードにまで伏線が張られていたのには感心しました。
今、車で「センチメンタル」のCD聴いていますが、これもCD化お願いしたいです。しかし、そうすると2枚組みでも相当カットされちゃうかもね。

この愛で縛りたい (ビーボーイスラッシュノベルズ)

この愛で縛りたい (ビーボーイスラッシュノベルズ)

  • この愛で縛りたい

★★★☆☆
英田氏の作品にこんな評価つけたことあったかな?だって・・・だって・・・なんですもん。
恋心を抱きながらも長年親友として付き合ってきたけれど、海外勤務を言い渡されたことをきっかけに、気持ちにけじめをつけようと起こした行動が、拉致監禁緊縛!
そのシチュエーションはいいんです。どっちかというと好きですから。でも、その行動を起こした阿木(受)があまりに後ろ向きで弱々しいところと、永瀬(攻)があっさりほだされちゃったところが納得いかなかったので、評価が低くなりました。実は、表題作オンリーなら★2つでも仕方が無いところです。書き下ろしでフォローされているので、なんとか3つに浮上しましたが。
表題作は拉致監禁緊縛襲い受けとシチュエーションはエロエロなのですが、後ろ向きなのとお互いがそれほど快感を感じていないのでこちらとしても萌えづらく、エロさはあまり感じないのです。書き下ろし「この愛で守りたい」に関しては、既に永瀬が阿木にメロメロなので、これはこれ独立したお話として、包容力のある男前の永瀬とおとなしいわりにエロエロな阿木を楽しめばいいんじゃないかと思います。さらに「この愛で誓いたい」に至っては、“嫁に来ないか”“うれしい…”的なあまあま話なので、それはそれでOKです。
で、何が言いたいかといえば、あとがきに裏事情が書かれていたのです。阿木性格がまるっきり違っていたって!!!ビッチ受けだったんだって!!!編集さんよ、何故書き直させた!!!元の通りのシチュエーションならそれなりに面白かったような気がするんですが!!!元のお話が読んでみたいですぅ。
オバサンは怒ってるんだぞ!