- 作者: 一穂ミチ,木下けい子
- 出版社/メーカー: 新書館
- 発売日: 2009/03/10
- メディア: 文庫
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★★★★☆
幼馴染同士の恋のお話。個性なんだか境遇がそうしてしまったのか、母親と二人で太陽一家の隣の家に引っ越してきたハーフの流星少年は、吟味した言葉しか話さないような寡黙な子。太陽は明るく活発でどこにでもいそうな普通の子。周りから浮いている流星を太陽が守るように、幼馴染以上兄弟未満といったかんじで付き合ってきた二人に転機が訪れます。太陽は、基本が明るくて思いやりがあるいい子だし、こもりがちの流星に友人ができることを望んでもいたはずなのに、自分の知らない部分がある流星と自分の中に芽生えた小さな嫉妬に戸惑います。
思春期の、経験が浅いからこそ不安定で、それでも自力で何とかしたいというプライドと、リミットを越えた時の爆発。自分が我慢してでも相手を幸せにしたいという捨て身な健気さ。流星の母親の死や父親との関係もあいまって、涙無しには読めませんでした。
書き下ろしは、父親のところに引き取られて行った流星を訪ねて、太陽がハワイまで行って再会したお話。相変わらず寡黙な流星といい人ばかりの家族に囲まれて、却って疑心暗鬼に囚われる太陽なのですが・・・
アメリカ人の父の事情、父の再婚相手の言葉、小さい弟妹たちの態度、幸せそうな人たちにも思い悩んできたことがあり・・・みんながあなたを愛している。でもボクが一番好きだよ。っていう気持ちが溢れた、泣かせる話になっております。
- 作者: ユキムラ
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2009/04
- メディア: コミック
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- 天然+極楽 魔法使い
★★★★☆
自殺をするつもりではなかったものの橋の欄干に佇み、今にも落ちそうだった暮葉を助けたのが、大人だけど子供並みの魔力しかないヘッポコ魔法使い・亜礼。魔力を集めるアンテナになると契約すれば望みを叶えると言って暮葉に付きまとうのですが・・・
気楽そうで軽そうな亜礼がアタックしてくるのを、冷たい態度で遠ざけようとする暮葉ですが、段々とほだされていくのです。兄を思う気持ちであったり、会社経営についてだったり、一話毎に魔法がらみのエピソードがありますが、その中で少しずつ暮葉の立場や亜礼の背景が明らかになっていきます。
確か、ビブロス版も読んだと思うのですが、いまひとつ面白さを感じなかった記憶があるのです。4話目までだと確かに宙ぶらりんな状況で終わっているので、不満だったのかもしれません。その点今回は、描き下ろしで明かされた部分も多く、暮葉が「会社社長」である必然性だとか、亜礼が一人前の魔法使いになりたがっている理由とか、ほとんどここで描かれています。おかげで納得できる面白さになりました。
ヘタレ・ツン攻の暮葉と天然・眼鏡・誘い受けの亜礼、亜礼の師匠・アヌビス先生、おじゃま虫・魔林と相棒?レイブン、などなど個性的なキャラたちもいっぱいです。