久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

恋は愚かというけれど (ディアプラス文庫)

恋は愚かというけれど (ディアプラス文庫)

  • 恋は愚かというけれど

★★★★☆
大学の文化祭実行委員会の先輩と同い年の後輩のお話。
礼儀正しいわりに口が悪い。けれど笑うと目じりに皺ができて、それが男っぽくてかっこいい。歩くときは相手に歩調を合わせるetc.(謙人調べ)…謙人じゃなくても好きになっちゃいそうな後輩・進藤。ほぼ一目惚れの彼と過ごす時間を少しでも多くしたいが為に、健気にも生活サイクルまで合わせようとする謙人。明るい笑い顔と人当たりのよさと努力の賜物のファッションセンスで、地味めな顔のわりに老若男女にうけがよく、意外と女の子にもてる謙人はゲイなので、進藤の親しげな態度とサークルの女子・吉島が好きだという現実に一喜一憂し、果ては恋を諦めようと一線を引くのでした。完璧に見える進藤も意外と他愛ない奴で、動じない風に見えるわりには謙人の言動に結構振り回されております。吉島女史が見極めてくれなければ自分が謙人を好きだということにすら気付かず、謙人の態度の変化に戸惑ったままだったかもしれません。その後、やけビールを飲んだ翌朝仕方なく掃除をしている謙人の元へやってきた、吉島に振られた進藤の、素に戻っている言動に苦笑すること請け合いです。関西弁だからこそできる掛け合いが、よかったねだけでは終わらせない深い味を出していると思います。
第2部「恋のとりこ」では、せっかく両思いになったのに“女の体じゃない”ことに幻滅させてしまうのではないかと、キス止まりの毎日。当て馬なゲイの日高君も登場し、こんな二人は無事にエッチができるのか?といったヤキモキする話になっています。謙人がグルグルするだけならまだしも、進藤まで取り越し苦労でグルグルしているからこの二人はなかなか先に進めへんのやー!でございます。
で、書き下ろしは進藤の卒業式の後の話、なんだかんだ言って二人とも、おもいっきりヤキモチ焼きでしたっていうわけ。おしあわせに!