久江羽の読書?日記

長々放置しておりますが、時々腐的な何かを書くと思います

王朝恋闇秘譚 (角川文庫)

王朝恋闇秘譚 (角川文庫)

  • 王朝恋闇秘譚

★★★★☆
平安時代、運命に弄ばれた兄弟の愛のお話。ホントは★5つにしたいところなんですが、最後の詰めがもう少し何か欲しかった。
美しい兄・綾王は弟・吉祥丸(後の中将)を守るため拾われた寺の中童子として僧侶たちの慰み者に身を落とします。そののち笛人として買われ、主の命ずるままに体を開く日々を送っているところに、「今宵お迎えに参ります」という文が幾度となく届くようになります。その文を送ったのは綾王が守り抜き、今は中将になった弟で、別れ際の誤解から綾王を大変憎んでいるのですが・・・
19ある各章に雅な題名がついているのですが、それぞれが様々な色事の展開になっていて、これでもかこれでもかと綾王は陵辱されるのです。サディスティックな場面も少なくないですが、どちらかと言えば既に己の運命を受け入れ、達観していて性技に長けた綾王がはんなりとあしらっている感じも強く、いたぶられるだけとはちょっと違います。始めは10歳くらいの少年ですから「ショタ」から始まって、あれやこれやで最終的には3Pとか近親相姦とか・・・めくるめく禁断の官能と真実の愛のお話。

  • 悲しみの涙はいらない

★★★★☆
義父の借金のかたに身を売ることになった高校生の遥と、買い受けた金融業の男・国枝の不器用な愛のお話。
高2になるまでにも何かと耐えることばかりの日々を送ってきた遥ですが、義父の会社が倒産し母親は失踪、乗り込んできた金融業者・国枝に身請けされ、借金返済のための売春を強要されるようになります。ところが突然国枝のマンションに引き取られ復学・受験勉強の日々が始まります。遥は「国枝のもの」と言われているため彼の命令には逆らえず、逆らっていなくても何かしら逆鱗に触れることがあると叩かれたりするため、国枝に言われるがまま「普通の生活+国枝に抱かれる」毎日を送っているのですが、二人の関係が少しずつ変化していきます。
とにかく遥は自分と言う存在を諦めている様子だし、暴力を振るわれることを極端に恐れて逆らうことをしないため、頭の中で考えていることがあっても言葉に出しません。どうも、暴力に訴えることもある国枝も実は同じ様なタイプで、彼の考えていることが判明するのはお話も終盤になってからです。そのおかげでもどかしいもどかしい。しかし、遥が少しずつ国枝に惹かれていく様や、国枝の意外といい人なところがじんわりと伝わってくるのでそこはいいかなっと思いました。終盤に入るまで、なぜこういう題名がついたのか分からなかったのですが、読み終えて納得しました。

必然の神様 (キャラコミックス)

必然の神様 (キャラコミックス)

  • 必然の神様

★★★★☆
7年前の初恋を実らせたお話。ゲイバーのお姉さん曰く「スットコドッコイのリーマン」紺野と百戦錬磨のゲイ瑛慈(でも本命は作らない)が偶然再会したことから始まる必然の恋のお話です。本当に紺野くんが天然というかなんというか、真っ正直ないい男で、大した恋愛もしてこなかったのが不思議なくらいもてそうなのですが、正直で誠実な分逆に付き合いづらいのかなとも思えます。瑛慈は瑛慈で酔った勢いで永年の片思いを告白したものの、自分の過去を反省し、二人の時間をを少しでも長持ちさせたくてはやる気持ちを抑えようとするので、二人の関係は少しずつ進みます。このお話の醍醐味は、紺野の天然な爆弾発言で、正直・誠実な人柄溢れる甘ーい言葉をポロっと発してくれるので瑛慈でなくても大感動しちゃうと思います。
本編は大人のお話(でもかわいい)ですが、同時収録は学生さんたちのお話。一生懸命だったり、小悪魔的だったりこっちは若くて可愛いです。自分の気持ちがよく分からないってありますよね。